有機農業で神の秩序知る 環境と教会を考える12 大村真理さん

環境問題にかかわるクリスチャンの動きが全世界で広がっている。9月には「創造の季節」(Season of Creation、seasonofcreation.org/)が開催され、世界福音同盟は、国連「持続可能な開発目標」(SDGs)を聖書的に深める「BibleSDGs」(wea-sc.org/en/biblesdgs)を展開した。環境意識や持続可能性のテーマに日本の教会でどう取り組めるか。今回から横浜市で有機農業に取り組む大村真理さんに聞く。
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「オーガニック」(有機)の食品、素材が日本でも徐々に増えている。有機食品市場は世界的にも拡大傾向にあるが、日本でも2009年から17年の間に42%増化した(農林水産省、2019年報告)。
健康志向で高級というイメージは根強いが、環境の観点でも注目されている。有機農業は農薬や化学肥料を使用しないことによって、土壌汚染を防止し、生態系の維持、生物多様性に貢献する。農地自体が保水による防災効果や気候温暖化の抑制にもなるとの指摘もある。
東日本大震災後には、農地再生の必要とともに、以前から指摘されていた過疎化、農業の後継者不足の問題があらわになった。都市部においても物流の停滞の教訓から、近郊農業、都市農業が見直された。農地の宅地化の勢いは増大していたが、15年の「都市農業振興基本法」以降、都市農園促進への法整備が進んだ。東京都の15年の調査では30代の7割が農業体験を希望しているという。新しいライフスタイルとして農業に参入する若者も目立ってきた。ITやSNSなどを活用して情報発信をしたり、農地を就労、交流、教育の拠点にし、まちおこしに貢献しようという動きもある。
大村さんもそのような時代背景の中で、16年から新規農業者として歩んでいる。ただ有機にこだわる動機は一般とは異なる。「神様が喜ばれる農業の在り方とは何だろうと考えたとき、、、、、、

2020年10月25日号掲載記事