本を選べる喜びをお店で 本屋の存在意義22 ▽松山キリスト教書店▽ライフセンター新潟店

愛媛県松山市。松山城のすぐ東、伊予鉄道城北線と城南線が分岐するあたりに松山キリスト教書店はある。愛媛県を始め、香川県までが営業範囲だ。「全体的に売り上げは低下し、定期刊行物は特に減っている。高齢化と礼拝出席者減少の影響が大きく、コロナ禍で一層その傾向が強まった印象」と店長の平岡光司さん。「教会を支えていた世代がだんだんといなくなり、若い人が育たない。教会学校は、教師がいても子どもがいないという所もある。農村部はより厳しい。信仰継承が課題です」
地域のキリスト教学校も生徒が減り、図書館が予算を減らしているという。「幼稚園、保育園でも絵本に力を入れているところもあるが、読書離れ本離れという全体的な傾向を感じます」
コロナ禍で県外に出かけられないときは、宅急便で書籍を送ったが、、、、、、

2020年10月18日号掲載記事

松山キリスト教書店
平岡さんおすすめの書籍

地元愛媛県の小島誠志牧師(日基教団・久万教会)の著作は分かりやすく、皆さん買っていただくが、コロナ禍で、総会や集会がなく、あまり宣伝できていないのが残念。最新刊は『見出された命: 聖句断想6』(教文館)。『日本キリスト教歴史人名事典』(鈴木範久監、 日本キリスト教歴史大事典編集委員会編、教文館)は最新の研究成果をもとに5千人以上を収録しており、図書館関係などで動きがあります。

§   §
新潟駅から南へ約2キロ、広々とした水辺の鳥屋野潟の西べりにライフセンター新潟店はある。
同店は経営の危機、閉店の危機に直面してきたが、地域の教会によるライフセンター支援委員会や教会の図書係などの協力によって支えられてきた。だが近年は「売り上げの土台となる定期刊行物が減少。高齢化の影響が大きい」と永井美智代店長は言う。「飛び込みの客は少なく、近隣の教会の兄弟姉妹が来店する。外販営業はほとんどせず、教会の図書係や牧師が定期的に来店します」
コロナ禍で教会の集会が中止となってきた。教会堂での礼拝がなくなり、委託販売をしていた所も一時休止した。ただ「全体の売り上げは少し下がったかもしれないが、来店する人はいつも通りだった印象です。5月は臨時休業したが、6月には、『5月に来れなかった分』と、多めに買う人もいました」。7月以降も開店時間を一時間遅らせて営業している。
今後について「皆さんの要望を聞いて、、、、、、

2020年10月18日号掲載記事

ライフセンター新潟店
永井さんおすすめの書籍

『たいせつなきみストーリーブック』(マックス・ルケード著、松波史子訳、いのちのことば社)は子ども向けの本だが、大人も神様と自分の関係に気づかされる。私も時々、見返しています。教会学校でよく語られる「放蕩息子」の話は弟が中心で語れることが多いが、『「放蕩」する神―キリスト教信仰の回復をめざして』(ティモシー・ケラー著、廣橋麻子訳、いのちのことば社)は、兄に対する神の思いに注目し、目からうろこが落ちました。
『いこいの水のほとりにて 魂への慰めのことば』(C・H・スポルジョン著、R・H・クラーク編、佐藤強訳、いのちのことば社)は19世紀のロンドンの人々に語られた言葉だけれども、現在のコロナ禍の中でも届く、慰めと希望のメッセージがあり、毎日少しずつ読んで教えられています。