（１面つづき）恵みシャレー軽井沢営業終了日の10月31日には、今までの感謝と今後の導きを祈りつつ、礼拝を捧げました。軽井沢地区の教会、ＴＥＡＭ（The Evangelical　Alliance Mission）、日本クリスチャンキャンプ協議会、軽井沢地区のキャンプ場、そして、恵みシャレーで以前働いていたスタッフなど関係者が出席しました。
その中で、この施設に関わりの深い宣教師アイリーン・セランダー氏、恵みシャレーの元スタッフの佐久間顕さんから思い出が語られました。また、日本同盟基督教団軽井沢キリスト教会の茂木幸雄牧師からメッセージが語られ、長年この施設に関わりご尽力くださった軽井沢中央教会の中田秀雄師の祝祷で、この働きに一つの区切りをつけました。たくさんの方にとっての思い出の場所であるこのところで礼拝を持つことが出来て幸いでした。今後のことで、現在決まっていることは、土地の一部を売却し、残りをキリスト教宿泊研修施設とすることだけです。どの部分が売却され、どの部分が残るのか、残る土地をどのような建物・形態・運営にするかは未定です。今後、主の導きを祈り求めていきます。　本施設は、長年諸教会の修養会・キャンプ、ミッションスクールのオリエンテーション・自然教室・修養会、恵みシャレー主催の聖書の学びやさまざまなセミナー、クリスチャン家族やグループでの宿泊など、多岐にわたりたくさんの方々にご利用いただきました。
鹿島の森と雲場池に囲まれた自然豊かな恵みシャレー軽井沢は、クリスチャンの方々にとって主と共に憩う場所、ターニングポイントとなった場所でもありました。その歩みの背後には、現地のスタッフをはじめ、多くの方々の助けや協力、そして祈りがあったことを思い、心から感謝します。
その働きを終えることは残念ですが、今まで神様の導きとビジョンが与えられ、働きが継続されてきたように、握っているものを手放す時、神様の新たなご計画と導きの中で新たなビジョンのもと、この場所が用いられることを信じます。
【恵みシャレーのルーツと歴史】
アメリカ人宣教師タイガート氏の最初のビジョンは中国宣教でした。しかし１９４９年、中国での伝道の門戸が閉ざされ、アメリカへ帰る途次、宣教師が集まっていた軽井沢を訪問。そこで日本の山間へき地にまだ福音が伝えられていないことを知り、未伝地に福音を伝える日本人伝道者を養成するため、この場所を購入して軽井沢聖書学院を設立しました。
当時の神学生たちは、家畜を飼い、畑を耕し、自給自足の生活をしながら講義を聴き、伝道に出かけました。学生たちはタイガート学院長の宣教師としての生き方に深く感銘を受け、それぞれがビジョンを与えられました。聖書学院の働きは22年間続けられ、71年に閉院しました。
その後も軽井沢クリスチャンセンター（ＫＣＣ）の名でキャンプ場としての働きは継続されましたが、77 年、タイガート氏の召天を機に、アメリカの理事会は土地と建物をＴＥＡＭに売却し、日本での活動を打ち切りました。タイガートによる軽井沢のバイブルカンファレンスのビジョンはＴＥＡＭ宣教団に受け継がれ、新しくＴＥＡＭによって運営されることになり、ショーン、ジェンセン両宣教師がその任に当たりました。その後、当施設を主の働きのためにより活用しようと新しい運営方法がとられ、87年にいのちのことば社に運営が委託されることになりました。
当時のリーダーだったケネス・マクビーティがディレクターとして立てられ、軽井沢クリスチャンセンターは独立したミニストリーとして継続しながら、いのちのことば社伝道グループの一部門となりました。施設名もこの時、「恵みシャレー軽井沢」と改められ、施設の新築や改築が行われ、通年宿泊可能なリトリートセンターとなりました。そして、２００７年にＴＥＡＭはその精神（宣教師が始めた教会と事業は、適当な時期にその国の人々の手にゆだねていく）に従い、恵みシャレー軽井沢をいのちのことば社に全面譲渡したのです。
【寄せられた利用者の声】
▽小学生の頃、一度訪れました。その時見つけた大きな四つ葉のクローバーは今でも聖書にはさんであります▽幼い頃から何度も行きました。家族の思い出がたくさん詰まっています。幸せな時間をありがとう▽毎夏、恵みシャレーで過ごした幼児期の思い出は今も宝物です▽幼い時からたくさんの思い出があります。夏の賛美セミナーの時には、心癒やされました▽恵みシャレーで最後に結婚式を挙げさせていただき感謝です▽救いの確信をもった45 年前のバイブルキャンプ、子どもたちと毎年お世話になったスキーキャンプ、夏のキャンプ…ありがとうございまた。この土地がまた用いられますように▽30年ほどのお付き合いですが、ここでの思い出では子どもの成長の記録でもあります▽ここで培われた信仰に感謝。この地でなされた宣教のわざが、これからも日本に、世界に広まっていきますように。
今まで、恵みシャレー軽井沢を大切に思い、祈り支え、ご利用くださった皆様、本当にありがとうございました。（レポート・相澤直実＝恵みシャレー軽井沢マネージャー）