沖縄の宣教協力に尽力 国吉守氏逝去

那覇バプテスト教会名誉牧師で、沖縄から平和と福音を発信し、超教派の働きに貢献した国吉守(くによしまもる)氏が、10月25日、那覇市内の自宅で亡くなった。87歳だった。27日に前夜式が、28日に告別式が、同教会礼拝堂で、副主任牧師の大浜英樹氏の司式により行われた。喪主は長女の米本ありさ氏。
1933年沖縄に生まれる。小学校6年生の時に地上戦を体験。父は米兵の銃弾に倒れ、母は食糧難で餓死し、戦争孤児となるが、米軍捕虜となるものの親切な米兵クリスチャンの姿に感銘を受け、戦後、クリスチャンとなる。日本基督神学校を卒業後、那覇バプテスト教会牧師として60年間、また善隣幼稚園園長として奉仕。教会は11の地域ファミリーを中心に牧会、家族がそろって礼拝できるように家族礼拝を創始した。超教派の働きとして、沖縄聖書学園理事長、「沖縄いのちの電話」理事長、特別養護老人ホーム「愛の村」理事長、特定医療法人葦の会オリーブ山病院理事、沖縄キリスト教学院大学理事、ブリッジス・フォー・ピース・ジャパン理事等歴任。ビリー・グラハム国際大会、総動員伝道、日本福音クルセード、世界食料デーなど、超教派集会の実行委員長、会長を務めた。著書に『あなたに生きる力を』『沖縄から平和を祈る』『今、日本の平和を問う』他。
9月に体調を崩して入院。自宅療養になってからは、本人の意思により、延命治療を行わず、召される前日まで賛美、祈りを捧げ、「アーメン」と唱和した。同教会主任牧師の城倉翼氏は「最後は声が、出せなくなっていたが一所懸命語り掛けていました。召される直前まで牧師であったその姿は、皆に感動と感銘を与えてくださいました」と語った。