戦没者の遺骨が含まれる土砂を辺野古新基地建設に使うな 宗教者らが共同声明

沖縄県名護市辺野古の米軍新基地建設で、今も多くの遺骨が残存している沖縄本島南部の土砂を埋め立てに使うという政府の計画に対し、12月10日、反対する宗教者らが共同声明を発表した。
共同声明では、「戦没者の遺骨がまじった土砂を辺野古新基地建設に使うなんて、死者への冒涜です」、「戦争で亡くなった遺骨を、土砂と一緒に軍事基地を造るための埋め立てに使ってはならない」と訴える、沖縄戦犠牲者の遺骨を38年間収集してきた沖縄戦遺骨収集ボランティア「ガマフィー」代表、具志堅隆松さんの言葉を引用。「これは、防衛省がこの4月に、公有水面埋立法に基づき、設計変更を沖縄県に申請した結果、埋め立てに使う土砂の採取地として現行計画にない沖縄本島南部が追加されたためです。(中略)遺骨をないがしろにすれば、死者の尊厳を踏みにじることになるでしょう。命を尊ぶ宗教者として、これを許すことはできません」と抗議。「これは戦没者を二度殺すことと同じ」だとし、「私たち宗教者は、辺野古新基地建設のため、沖縄戦激戦地の土砂使用計画をただちに撤回し、沖縄戦犠牲者の遺族の方々に謝罪すること」を菅義偉首相に強く求めた。
同日、国会内で記者会見も行われ、8人の宗教者が出席。金性済氏(日本キリスト教協議会総幹事)は「宗教者が先頭に立って、この悲しみ、怒りを分かち合う必要がある」、平愛香氏(平和を実現するキリスト者ネット事務局代表)は「ウチナンチュー(沖縄人)は死んだ後もいじめられる。愚弄としか言えない」と訴えた。
共同声明は、平和を実現するキリスト者ネット、日本カトリック正義と平和協議会、日本宗教者平和協議会など6団体が呼びかけ、賛同は16団体、306人に広がっている。また、共同声明に賛同する議員らが連帯メッセージを寄せている。