2月1日に国軍によるクーデターが発生したミャンマー。国軍は国民民主連盟(NLD)が圧勝した昨年11月の総選挙に不正があったとして、アウンサンスーチー国家顧問らNLD関係者を拘束。実権を握ると緊急事態宣言を発令し、市民のインターネット、SNSの利用を制限した。これに対して市民側の抗議活動が広がり、7日には数万に及ぶ大規模デモが繰り広げられた。このクーデターに対し、在日ミャンマー人や教会、かつてミャンマーに滞在していた日本人からも声が上がっている。

ヤンゴン市内。道路を封鎖する兵士に向け、抗議行動のシンボル「三本指サイン」を掲げて抗議の意思を表すミャンマー市民

在日ミャンマー人ら祈り要請
「元の状態に戻らないように」

多民族国家であるミャンマーの人々を受け入れ、チン語、カレン語の礼拝を行い、またカチンクリスチャン平和教会を生み出してきた、東京平和教会の大矢直人牧師は、「キリスト者として武力での行動は容認できない。スーチー氏ら軟禁状態にある人々を早く解放してほしい。教会からもデモに参加しているが、軍事政権相手にそれがうまくいくか分からない。1日も早くミャンマーの民主化が行われるように祈ってほしい」。伝道師のドゥムピャ・カーラー氏は「かつて民主化前の軍事政権下で、人々は大変つらい状況に置かれていた。これではまた元の状態に戻ってしまう。決してそうならないように。私もデモに参加し、教会の人たちも参加している。SNSでつながって、毎晩8時には祈り会をしている。共に祈ってほしい」と語った。
つい最近帰国した日本人クリスチャン(帰国後にクーデター)は「数万人規模の抗議デモに軍が発砲することを懸念している。2007年の仏僧が中心となったデモの時は抗議デモが盛り上がり、『発砲もやむなし』と軍の強行手段によるデモ鎮圧があって、多くの人が死んだ。今回もそうなるのではと危惧している。また、今回のデモでさらなる新型コロナの拡大が懸念される。医療に大きな弱さを抱えており、日本では想像できないような危険な状況になることを恐れている」と話す。
▽血が流されることなくこの事態が収束するように、▽神の御前に正しいことがなされるように、▽これまで民主化運動のリーダーとなってきたスーチー氏も高齢になってきているので、今後を担う適切なリーダーたちが立てられ成長していくように、と祈りを要請した。
在日ミャンマー人でバプ連盟・仙川キリスト教会員のアウンダウンラインさんは「自分たちの将来をつぶされた感じで皆がっかりし、希望を失い、怒ってもいる。ミャンマー人の多くはクーデターが起こった日から毎日夕方8時(ミャンマー時間)に15分間、音を鳴らしたり携帯のライトを照らす抗議行動をしている。日本国内でも『ミャンマー軍のやっていることはおかしい』と、政府に働きかけてほしい。ミャンマーのために祈ってほしい」と願った。