九 キ 災 「熊本地震から5年 きなっせコンサート」オンライン配信 「益城の人たちに大きな愛を」

熊本・大分地震から4月14日で5年目。熊本、大分はじめ九州全域に起きた大地震に対し、地域と教会を支援するために設立され、支援活動を行ってきた九州キリスト災害支援センター(九キ災)=横田法路理事長=は、本震が発生した16日、九キ災本部が置かれている油山シャロームチャペル(福岡県福岡市城南区)を会場に、「熊本地震から5年 きなっせコンサート」を開催。その模様をYouTubeで配信した。音楽ゲストはサックス奏者の安武玄晃さん、ゴスペルシンガーの神山みささん。(3面に関連記事)

左から安武さん、神山さん

コンサートは、熊本県の益城町とオンラインZoomでつなげて開かれた。オープニングは安武さんの軽快なサックス演奏から始まった。その後、横田理事長が挨拶。「益城の皆さん、こんにちは」と、スクリーンの向こうにいる人たちに手を振った。「益城に伺ってコンサートをする予定だったが、コロナが広がっているので、安心して楽しめるよう、今日は福岡から大きな愛を届けたい」と語り、「益城の人たちを大きな愛で包んでください」と祈りをささげた。
続いて、神山さんが「日々いろんなことがあるけれども、神様は変わらずに愛を注いでくださっている」との思いを込め、「アメイジンググレイス」を賛美。「福岡、益城町と、日本全国の皆様とがつながっているイメージで歌っていきたい。もう一度、息をしていることに感謝したい」と、続けてオリジナル曲「バースデー」「You are Special」、「空の鳥を見なさい。野の花がどうして育つのか考えなさい。明日のことまで心配しなくてよいのです」(マタイ6章26~34節参照)の御言葉をもとに昨年3月に作ったという「Look」を歌い上げた。
神山さんは「16日に本震があったのを聞いた時に『行かなくちゃ』と思い、飛び込むように飛行機に乗り、当時ボランティアセンターだった熊本ハーベストチャーチに出かけた。それが支援の第一歩だった」と証しした。
進行係の市來雅伸九キ災本部長は、「九キ災はずっと〝住民さん〟と九キ災スタッフがお茶を飲んで楽しく過ごす『きなっせカフェ』をやってきたが、今回はその延長線でコンサートを一緒にやりましょうと開催した」と開催の経緯を説明。「スクリーンの向こうにはたくさんの方々がおられ、その中には木山キリスト教会、バイブル・プロテスタント熊本東聖書キリスト教会の皆様もいらっしゃいます」。その後、熊本東聖書キリスト教会の賛美チームが、特別賛美「主は私の羊飼い」を映像を通して届けた。

中出牧夫氏

コンサートでは、中出牧夫氏(熊本ナザレン教会牧師)が映像を通して、これまでの経緯を含めてコメントを寄せた。「ちょうど5年前に地震が起こり、皆大きな痛みを覚えながら一晩過ごした。最初の揺れの後、中村陽志先生(熊本ハーベストチャーチ)、本堀秀一先生(アッセンブリー・希望ヶ丘キリスト教会)と私と3人が集まり、この熊本で何とか支援体制ができないかと話し、祈り合いながら、熊本県教役者会が窓口となって、災害支援センターを立ち上げた。その後本震があり、横田先生から中村先生に『九州に支援センターを作りたい』と連絡があり、やがて熊本の災害支援センターも合流し九キ災が立ち上がった。熊本にある教会だけでなく、九州全体の先生方が共に祈り支えてくださることは、どんなに大きな励ましだったことか。同時に、多くの団体、教会、個人の方々から、数えきれない支援をいただいた。思い返すと、痛みもたくさん経験したが、その中で大きな恵み、祝福もいただいたと思う。これからもお互いに助け合い、祈り合いながら、神様の恵みの中を歩んでいきたいと思います」
後半では、安武さんが賛美歌「十字架のかげに」、恩師の牧師が大好きだったという「主が私の手を」を演奏。最後に神山さん、安武さんのデュオで熊本・大分震災復興支援チャリティソング「キセキ」を賛美した。
「きなっせコンサート」はhttps://www.youtube.com/watch?v=SU8cr_-sDZ0https://www.youtube.com/watch?v=SU8cr_-sDZ0 で視聴できる。 【中田 朗】