写真=星出氏

「世にある教会のディアコニアと貧困・格差」「子ども食堂から考える教会と国家」をテーマにした日本福音キリスト教会連合(JECA)南関東地区平和祈祷会が、8月15日オンラインで開催された。2017年から子ども食堂を始めた、日本長老教会西武柳沢キリスト教会牧師の星出卓也氏は、活動を通して見えてきた、世の中の状況と教会の立ち位置、国との関わりについて語った。その歩みは“教会とは何か”を問い続けることだと言う。【髙橋昌彦】
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2001年に現在の教会に伝道師として赴任した星出氏は、その初期からの教会形成について振り返る。04年に按手礼を受けるまで、3人の代理牧師が遣わされ、長老も立てられていなかった。教会とは何か、長老とは何かを、教会員とともに学び、神から遣わされた者としての長老を群れの中から選んだ。次に、執事の選出に取り組んだ。執事とは何かを、聖書と2千年にわたる教会の歴史から学んだ。それは長老職同様、教会とは何かを考える時となった。神は創造のわざを通して、神の愛の本質を表そうとした。堕落によって損なわれた世界にあっても、神の形に作られた人間を通して、神の愛を完成していこうとされる。教会はその本質として執事的な使命を担っているが故に、執事を選び、創造された世界と関わる、壮大なテーマを持っている。

「執事の選挙のたびに語ってきたことでしたが、教会員たちは自分とはレベルの違うことだと思い、私自身、あるべき姿との乖離(かいり)に、語るのがつらくなってもいました。みな教会のことで精いっぱいでした。それでも、教会がこの地域で執事的な働きをするとはどういうことなのか、と考えざるをえない。何かしなければという思いから、祈ることに立ち返っていきました」

そんな時に、教会員たちと貧困に関するドキュメンタリーを見た。一人親家庭が置かれている状況の深刻さをリアルに伝えていた。「そこで紹介されていた子ども食堂の取り組みを見て、教会学校の教師たちが、これなら教会でできるのでは、教会がやらなくてどうする、と思い始めたのです」

準備期間に2年をかけて、月1回の子ども食堂が始まった。予想に反して、、、、

(教会は、この働きが協会の本質に関わるものであることに気付いていきます。2021年9月5日号掲載記事