キリスト御自身を伝える

シオン・キリスト教団

写真=2019年 第62回シオン霊修会 会場・天城山荘

聖書信仰・きよめ・宣教を継承する

写真=創立者 岸田愛治・初子牧師夫妻

◎イエス様と3人で始まった教会

海外の宣教団体とのつながりもなく、それまでの関わりも断ち、ゼロからのスタート。シオン・キリスト教会は1934年に岸田愛治・初子牧師夫妻と蒲田開拓伝道の使命を与えてくださったイエス様の交わりから始まった。

◎地域目線の伝道展開

京浜工業地帯に位置する蒲田周辺には、地方から若者達が続々と仕事を求めて集まって来た。週末の駅周辺には、賑やかな喧騒(けんそう)と裏腹に孤独を抱える若者が群がり路傍伝道を行った。沢山の人が救われ、信徒となり、さらに直接献身者が起こされ各地に派遣されていった。

 

◎信徒を奉仕や教団運営に参画

教団運営の中枢である理事会には、信徒理事が半数を占めている。教団の連合集会・霊修会の運営は、実務面は信徒が担当し、霊的指導は教職者が行っている。なお、実行委員長は信徒が務めている。さらに青年の修養会及び中高生キャンプもメンバーが中心に活動している。

 

◎株分けで五つの教会が誕生

核となる家族の家での家庭集会から始まり、茅ヶ崎、沼津、石岡、横浜にシオン・キリスト教会が誕生し、それぞれが独立・自給を目指して教会形成がなされていった。そして、「教会が生み出す教会」をテーマに開拓が始まり、96年に6番目の取手教会が誕生した。

 

宣教協力の働きをともに担い複数牧師・複数牧会めざす

シオン・キリスト教団は日本宣教会から独立したホーリネス系の教団である。1934年の創立以来、盛んな伝道がなされ、数年の間に3か所の伝道所が開設され、東海道宣教のビジョンの中から沼津基督宣教会が開設され、派遣された牧師は後に宣教師として中国に遣わされている。

また当時、日本聖教会を中心に活動がなされたリバイバル・リーグの結成に関わり、教会を挙げてこれに参画し、日本全国の宣教、救霊に励んできた。他にも、ビリー・グラハム国際大会、ローザンヌ会議、JPC(日本プロテスタント聖書信仰同盟)、JEA(日本福音同盟)、OMF、ケズィック、聖化交友会等の関わりを通し日本の宣教に重荷を負い、宣教協力の働きを担ってきた。

独善的な運営に陥る傾向性のある単立系の群れが、信仰の健全性を保つことが出来たのは、諸教団はじめ諸団体の方々との交わりの中で培われてきた信仰の遺産であると思っている。もともと監督制の教会であるが、信徒の教会運営への関わりは創立以来培われてきたものである。信徒と牧師が共に教会運営に携わることなしには教会の発展は望めない。

また、開設当初より自給自立の信仰に立ち、海外からの支援や援助を得ず。神の助けと信仰による必要の満たしを常に祈り続けてきた。現在、教団のすべての教会が教会堂の土地建物を保有し、自立教会として活動を続けている。しかし、大きな必要のある時には、各教会が支援し働きを助ける良い慣習は今も続けられている。

教団は20年以上前から、定年制の導入と退職金制度の整備を続けてきた。牧師が安心して働くことのできる環境の整備は、キリスト教界にとって必要不可欠な要素であろうと考える。一人の牧師が生涯一教会を牧会する形態は難しくなっている現状で、複数牧師による複数牧会の形態を整えたいと願っている。

そのためにも献身者の興起を祈らなければならない。若者の献身だけでなく、退職を前に学び社会経験を生かして伝道に携わる献身者、専門分野を生かしてのパートタイム的な働き、多様性のある献身の姿を模索していきたいと願っている。

 

 

蒲田シオン・キリスト教会

継承、そして新たな時代

 

http://zion.jpn.org  Email: zion@am.wakwak.com

〒144-0051東京都大田区西蒲田7-27-3
Tel.03-3731-5939 Fax.同3739-3776
牧師 荻野泰弘、穂谷弘二、石田敏則

蒲田シオン教会は今年で創立87周年を迎えました。1934年に創立者の岸田愛治・初子夫妻が伝道を開始し、戦争で一時移転(現在の大田区御嶽山)したものの、一貫して蒲田駅前を拠点に教会形成と伝道に励んできました。その歩みの中で蒲田から五つの教会が生み出され群れの先頭としても進んできました。岸田愛治牧師から岸田馨牧師、石田敏則牧師と代替わりをして、対外的には超教派活動への参画、内部的には90年に現在の教会堂(地上6階・地下2階)を建設するなどして現在に至ります。今年春に荻野泰弘が4代目の主任牧師に就任。草創期を知る方の多くはすでに天に召され、20代以下の世代は創立者から数えて4世代目に相当する時代を迎え新たな一歩を踏み出しています。家庭や社会の構造が大きく変化する時代、加えてコロナ禍や自然災害で多くの人が傷ついた時代に福音を語る使命を覚えています。

 

沼津シオン・キリスト教会

地域に開かれた教会

https://blog.goo.ne.jp/numazuzion1959

〒410-003静岡県沼津市杉崎
町1-22 Tel.055-921-4871
牧師 荻野倍弘・まり子

沼津シオン・キリスト教会が誕生したきっかけは、終戦直後に沼津駅前の洋服店で家庭集会が、東京蒲田からシオン・キリスト教団創立者の岸田愛治牧師が来て行われたことです。1959年春に、現在の沼津駅北口の場所に最初の教会堂が建てられ初代の尾形恵美子牧師が着任し40年近く主任牧師を務めました。その後は、荻野倍弘・まり子牧師夫妻が引き継ぎ今日に至っています。教会創立60周年の2019年には、インマヌエル沼津教会と合併。信仰の篤い兄姉が加わり、また沼津市西部に元インマヌエル教会の会堂を用いて伝道所を開設しました。以前は幼児園を通して幼児と家庭に福音を証ししました。今も、教会堂では土曜日午後、伝道所では水曜午後に子ども集会を行い、地域の小中学生と保護者へ福音を伝えています。これからも、沼津市そして静岡県東部地域の大人から青少年に広く福音の光を証しする教会として祈り伝道しています。

横浜シオン・キリスト教会

主の愛があふれる教会

http://yokohama-zion.na.coocan.jp Email: y.zion@nifty.com

〒246-0031神奈川県横浜市瀬谷区瀬谷1-8-8  Tel.045-303-0402
牧師 吉川あゆみ、浅海幸弘・和子

横浜教会は、1967年家庭集会が継続する中から、この地域に教会をとの幻が与えられ、71年に浅海幸弘牧師が派遣されました。同年4月16日に最初の礼拝を行い、開拓教会として出発しました。浅海幸弘・和子牧師夫妻は子ども伝道に尽力し、しだいに子どもたちの親が出席するようになり、10年間の待望と祈祷の炉を経て、82年1月に現在地を取得し会堂建設を行いました。4年後に駐車場、9年後には隣接地(家屋付き)を取得できたのは、すべて主の御業であり主のご計画です。今年、横浜教会は創立50周年(ヨベルの年)を迎えました。歴史の中に、浅海牧師夫妻、穂谷弘二牧師、坂本憲子牧師が歴任され、4月には吉川あゆみ牧師が主任牧師として就任しました。幅広い年齢層が集う教会です。各世代に心を向けて、一人ひとりが主を愛し、隣人を愛して、宣教の働きが進められるように願っています。

 

茅ヶ崎シオン・キリスト教会

与えられた使命に生きる

 

https://www.chigasaki-zion.org/

〒253-0053神奈川県茅ヶ崎市東海岸北3-10-4 Tel.0467-59
-1613   牧師・岸田 悟

茅ヶ崎シオン・キリスト教会は創立者岸田愛治牧師の長男(岸田馨牧師)が戦争中に疎開をした家庭で集会と教会学校が行われたことから始まりました。その後、兄弟姉妹が「あなたがたが足の裏で踏む場所はことごとく、すでにあなたがたに与えている」とのみことばを信じて松林を踏みしめ、現在の土地が与えられました。1953年に最初の会堂が完成し、教会と聖鳩幼稚園が設立され、岸田とし子牧師が赴任しました。岸田馨牧師が、とし子牧師との結婚を機に主任牧師に就任し、以後、教会と幼稚園を両輪に子どもたちへの霊育、保護者への伝道を中心に宣教活動と地域への証しを行って来ました。2008年に岸田悟牧師が赴任して現在の体制となりました。2013年に新しい教会堂と園舎が完成し、外観は様変わりし、幼稚園は認定こども園になりましたが、創立の精神は変わりません。子どもたちの歌う賛美歌が今日も天に響いています。

 

石岡シオン・キリスト教会

ゆずりの地

〒315-0001茨城県石岡市石岡14020-15
Tel.0299-22-6336 Fax.同24-5024
牧師 石田敏則・いつ子

石岡市は、都心から約70キロ茨城県の中央に位置します。1968年、渡邉昌彦・純子牧師が派遣され、6月5日、石岡在住の4家族と共に初穂の礼拝を捧げシオン・キリスト教会の4番目の教会としてスタートを切りました。当初は市民会館の一室を借りての礼拝、祈祷会は借家の牧師宅で守られてきました。「石の岡」と言われるほど、人々の心の固い地域でしたが、73年に現在地に会堂が建てられました。新しい方々も加えられ、会堂建築の2年後から自給教会となりました。85年には宗教法人格を取得し、地域における宣教協力も積極的に推進し「みんなのクリスマス」や「総動員伝道」「べテル聖書研究」等の活動も継続されていました。また地域教会として、人々の必要にこたえる支援活動もなされてきました。渡邉牧師の退職に伴い穂谷弘二牧師が就任しました。今年より石田敏則・いつ子牧師が就任し、新しい教会形成が始められています。

 

取手シオン・キリスト教会

飢え渇く人々のオアシスとして

〒302-0015茨城県取手市
井野台5-7-12
Tel.0297-72-4552
牧師 石田敏則、坂本憲子

取手教会の始まりは、1956年からの千葉県我孫子市の武井家での家庭集会・土曜学校です。長い年月の祈りの後、91年の日本伝道会議において岸田馨牧師により語られたビジョン「教会を生み出す教会」が、蒲田教会によって受けとめられました。96年に茨城県取手市に伝道所が開設され、吉川あゆみ牧師が派遣され、2002年に「取手シオン・キリスト教会」に名称が変更され、03年には現在の教会堂が与えられました。近隣の児童とその家族への伝道が継続して行われ、教会員の家族や地域の方々が教会に集うようになっていきました。訪れる人が共通して持つ感想は、「温かくホスピタリティーに溢れる教会」です。21年4月から牧師が交代しましたが、いのちの泉であるイエス様の愛が教会に溢れ、各家庭に近隣にまた属する社会に流れ、飢え渇いている人々の心を満たすべく働いておられるキリストの手足として、教会員一同祈り、みことばの伝道に励んでいきたいと願っています。

 

シオン・キリスト教団

本部事務所=東京都大田区西蒲田7ノ27ノ3
電 話=03・3731・7270
FAX=03・3739・3776

略年表

1934年 創立者−岸田愛治・初子牧師、現JR蒲田駅に立つ
蒲田教会開設 (現大田区西蒲田)
1941年 砂山貞夫・節子牧師
満州・興隆に宣教派遣
1945年 戦災・会堂焼失。御獄山移転(東急・池上線)
1949年 蒲田教会再開設
1952年 小鳩幼児園(蒲田)開設
1953年 茅ヶ崎教会開設及び聖鳩幼稚園(茅ヶ崎)開設
1957年 第1回シオン霊修会開始
会場:伊豆・天城山荘
1959年 沼津教会開設
1960年 小鳩幼児園(沼津)開設
1962年 勧士制度導入
1963年 本部機構を蒲田教会に設置
1967年 日本基督教団離脱及び
宗教法人シオン・キリスト教会登録
1968年 石岡教会開設
1971年 横浜教会開設
1996年 取手教会開設
2019年 沼津教会今沢地区伝道所開設(インマヌエルチャペル)

2021年9月5日号掲載記事