メインセッションで廣瀬氏講演 「日本は福音の種まかれた未伝地」第23回CBMCアジア太平洋大会2021

「ビジネスとマーケットプレイスをキリストに」を合言葉に、世界90か国以上で活動するCBMC。そのアジア大会である「第23回CBMCアジア太平洋大会2021」(主催/日本CBMC、韓国CBMC東日本連合、華人CBMC)が11月16、17日、東京・港区六本木の国際文化会館を会場に、オンライン併用で開催された。テーマは「御霊の一致」。メインセッション①では、廣瀬薫氏(恵泉女学園学園長)が「日本における戦後のクリスチャンの歴史」と題して講演した。
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最初に「世界の福音宣教の統計によると、日本は世界で第2位の未伝地で、約1億2千万人のうちクリスチャンは1・2%。琉球王国(現・沖縄)でプロテスタント宣教が始まって以来175年経っても日本の福音宣教は進んでいない、と思われるかもしれない。だが、私はそうではないと思っている。日本の歴史を見ると、実に多くのクリスチャンの先人たちの働きによって、福音の種が蒔かれている」と語る。「学校、福祉、社会運動、迫害の跡など、全国どこに行ってもキリスト教に関係する何かと出会う。だから、日本は福音の種がまかれた未伝地だ」

講演する廣瀬氏(左)

その先人として、賀川豊彦と河井道の2人の名を挙げた。「賀川は数年前のテレビ番組で『21世紀の日本をグランドデザインした男』というタイトルで紹介された。関東大震災後に神の国運動を、戦後は新日本建設キリスト運動を展開し、計151万人が賀川の話を聞いた。また、大正から昭和にかけて弱者救済を訴え、労働組合、生協、農協など今日に続く日本の共助の仕組みを作り上げた。この三つに関係している人たちは合わせて約8千万人で、全人口の3分の2になる。旧農協のマークは、ヨハネの福音書12章24節の一粒の麦と十字架をデザインしたもので、農協の看板、倉庫の壁、パッケージにも使われていた。日本は全国至る所に御言葉のマークを掲げていた国だった」
「河井はアメリカ留学でキリスト教に基づく平和主義を学んだ。第一次世界大戦後、戦争の悲惨さを悲しみ、キリスト教平和主義の教育を志し、1929年に恵泉女学園を開校した。太平洋戦争開戦の直前、日本の教会は何とか戦争を避けるためキリスト教平和使節団を派遣。河井はその唯一の女性メンバーとして渡米した。戦時中は戦争に反対し続け、政府の圧迫に抵抗し礼拝を続けた。それはまさに平和の絆と御霊の一致を熱心に求めた歩みだった」

(さらに廣瀬氏は、河井道の言葉「誰も泉をつくることはできない、、、」を紹介します。クリスチャン新聞12月5日号掲載記事)