軍政下のミャンマー 500人以上が信仰を告白
軍政下のミャンマー 500人以上が信仰を告白 イエスは今も人々御許に引き寄せる
2月のクーデターにより軍が政権を掌握したミャンマーでは、10か月がたった今も、政府軍による民間人への暴力は依然続き、人々はトラウマを抱え、破壊が横行している。そのような中で、国際的人権監視団体オープンドアーズは「銃弾に直面しての洗礼式─ミャンマーで数百人がキリストに立ち返る」と題して、現地の報告をしている。
【オープンドアーズ】「今の状況を説明するのは難しいです」と、オープンドアーズの現地パートナーであるルウィン兄弟は語る。「軍隊はどこへ行っても、家を燃やし、多くの人々が生計のために飼っている豚を殺し、教会を占拠します」。神の民は四方八方から苦しめられるが(Ⅱコリント4・8)、それでも信仰は荒廃の中で生き残り続けている。現地のパートナーは、ますます多くの人々が、その希望故に、イエスに立ち返っていると報告している。
隠れる場所はジャングルだけ
10月に入って以来タッマドゥ(ミャンマー国軍の名称)は、クリスチャンが人口の多数を占めるチン州に多くの軍隊を派遣して、対抗勢力の掃討を行っている。その戦闘により、信者は家を失い、教会の建物は略奪され、砲撃され、占領された。現地の記録によると、クーデターが始まって以来、30の教会の建物が軍隊により攻撃されている。
31歳のバプテスト教会牧師であるクン・ビアク・ハムは、軍の砲撃によって引き起こされた火災の消火を手伝おうと駆け出した際に、兵士たちにより銃で撃たれ、殺害された。チン州北西部にある彼の町サントランは炎上し、その際兵士たちはハム牧師の指を切り落とし、彼の結婚指輪を盗んだと、中東の衛星放送局アルジャジーラは報じている。
チン族人権団体の副所長であるサライ・ザ・ウク・リンはアルジャジーラに対し、クン・ビアク・ハム牧師への暴力的な殺害と指の切断は、軍がいかに民間人を扱っているかを表している、と語った。 「このことは、(ミャンマー軍の)兵士が現在行っている戦いの中で、どれほど人々を軽蔑し残忍な振る舞いをしているか、そのひどさを示しています」
ルウィン兄弟は次のように付け加える。「チン州とカチン州のファラム郡区のキリスト教地域では、戦闘が激しくなっています。そこにいる信者とその家族は森に隠れることを余儀なくされ、チン州では人々が大挙して移住し、町々は完全に空になっています。これは憂慮すべき事態です。隠れる場所はジャングル以外にありません」
1万7千人以上が援助を受け、500人以上がキリストを受け入れる
そのような暴力にもかかわらず、神はミャンマーの信者に手を差し伸べている。2021年9月の時点で、現地パートナーは、緊急救援物資や弟子訓練など、ミャンマーの1万7千135人の信者を支援できるようになった。物資配送の困難を考えれば、その数はむしろ特筆されるべきである。ルウィン兄弟は次のように事情を説明する。「信者への物資でいっぱいのトラックは、反政府グループに物資が提供されていると誤解されることがあるので、救援活動には注意を要します。確かに私たちは注意しなければなりませんが、主が支配されていると信じています」
ルウィン兄弟は無力感を感じる中でさえ、「神は今でも人々をご自分のもとに引き寄せている」と語っている。現地パートナーは、今年ミャンマーで544人がイエスに命を捧げたことを確認し、そのうち166人はバプテスマを受けることが決定している。新たに信じた人々のうち、50人は先月のオープンドアーズのトレーニングでイエスに人生を捧げた子どもたちだった。
「地元の教会と連携することで、私たちはまだ神様を知らない子どもたちに届き、若くても救われることを保証し、信仰を強め、良い人格を築き、彼らの生活の中でキリストのように生き、キリストのような態度を育むのを助けています。激しい争いと暴力の中で、神は力強く働いておられます」
(クリスチャン新聞web版掲載記事)