写真=「教会に求められているもの」について話し合った

2021年7月に『働き方改革より父親改革』(いのちのことば社)を出版したファミリーファーストジャパン(小林宏繁代表)が、12月6日同書の出版記念イベント「ファミリー危機の時代、教会に求められているものは何か」を、オンラインにより開催した。3部構成のイベントの第二部では、「教会の使命と新たな可能性についての座談会」が行われた。【髙橋昌彦】

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出席者の水谷潔氏(JECA・春日井聖書教会協力牧師)は、戦後70年を経たキリスト教会を、伝道偏重、それに反発する世俗化を経て「第三世代」を迎えているとし、「ようやく聖書的なバランス、指針に立って教会形成をしていける流れになった今こそ、家庭についてのミニストリーは必要。クリスチャンの家庭にも問題はあることを認め、何でも話せる正直な交わり、教会文化の形成を」と提言した。

友納靖史氏(バプ連盟・常盤台バプテスト教会牧師)は、自己肯定感の低い親の増加と、そんな彼らが子育ての喜び、悩みを通して自分の抱える問題に気づき、聖書に触れていく経験を紹介し、「地域の悩む親同士が知り合う機会を、教会が提供することは可能。伝えるべきは、徹底して神様の恵み。教会が“駆け込み寺”のようになれれば」と述べた。

野田恭子氏(オーストラリア・キャンバーウェルバプティスト教会執事)は、海外での生活、子育てを通して現地の教会につながった自らの信仰を証しし、「そこでは、自分と変わらない人が神様を信じている姿を見ることが出来た。子どもたちも、自分の将来を思い描けるクリスチャンのモデルを見た。普通に人と人とが交わることを通して、神様の教え、聖書の価値観は伝わるのだと思う」と語った。

伊藤真人氏(東京FM・小金井教会牧師)は、現在自らが子育て中の親として親同士の関係にあることと、彼らが家族形成の話に興味を示すことに触れ、「上から目線で教えるのでなく、自分も悩んでいる、ともに学ぼう、という姿勢が大事。良い人間関係を作ることから地域に関わることでミニストリーは始まる。あの教会は家族の問題に取り組んでいるらしい、と地域でうわさが広がっていくところに日本の教会の可能性がある」と期待した。

最後に、座談会の座長を務めた横田法路氏(日本イエス・油山教会牧師)は、「聖書のみことばが道筋を示し、教会というコミュニティーがあることを感謝したい。そのような教会が、ファミリーミニストリーの鍵を握るのだと思う」と結んだ。

3部では第2部の座談会で議論された家族問題への支援活動として夫婦・父親・子育て・幼児期シチズンシップ教育の四つのセミナーの概要が説明された。それらのオンラインによる詳細な説明会は、115、22、29日に行い、2月より順次活動が行われる。申し込みは下記QRコードから。

クリスチャン新聞web版掲載記事)