2020年4月、第一回目の緊急事態宣言を受けて、当神学院では、対面での授業の自粛、学生の教会聖日派遣奉仕の停止、オンライン授業の開始など、主に祈りつつ、出来ることを模索しながら神学教育が中断することがないよう最大限の努力を重ねてきた。

ウェスレアン・ホーリネス神学院は、当時学生数6人(うち1人は帰省中に緊急事態宣言となり前期は自宅にて受講)と少数であったこともあり、学生たちを帰宅させず、寮生活を続けながら学び、訓練を続けることができた。

コロナ・ウィルスのことがまだ詳しく分からない中で始まった第一回目の緊急事態宣言下(20年4~5月)、神学院にほぼ隣接し、学院教会的な役割を果たしている浅草橋教会に学生たちは集まり、牧師、副牧師家族と共に、毎週の聖日礼拝、祈祷会を献げた。

教会としては集まることを自粛していたので、献げられた礼拝をYouTubeにアップし、祈祷会はZoomでつないだ。ガランとした礼拝堂で、学生たちと今何ができるかを祈りながら手探りする状態であった。

しばらくすると、礼拝後に学生たちと賛美をささげ(もちろん、換気しながら、マスク着用、そして間隔を保ってではあったが)、それをYouTubeにアップするようになった。

更に数週間後に、学生が中心となってZoomでの教会学校を開始した。緊急事態宣言が発令されて1か月が過ぎた頃の事だった。

今ではごく当たり前の光景だが、第一回目のZoom教会学校の時、まるでマンションの一室からみんなが顔を出しているようだったが、嬉(うれ)しそうに話をしている子どもたちの笑顔に大きな励ましを受けたことは、今でも忘れることができない。

コロナ禍によって、教会や神学院でこれまで当前のように行っていた多くのことを中断させられたが、その反面、新たな宣教の機会を得ることになった。

神学院は毎年、夏期伝道期間に、教団の諸教会に学生を派遣しているが、昨年も今年も2、3の近郊の教会を除いては直接学生を派遣することはできなかった。

しかし、学生たちが全国各地の教会とオンラインでつながり、礼拝、祈祷会、子ども会で奉仕する機会がたくさん与えられ、例年よりも多くの人々に仕える機会が与えられた。

(一方で、失われた機械についても山崎氏は語ります。2022年1月2・9日号掲載記事)