医療現場の経験をもとに原発事故で避難した被災者の声と心のケアの方法つい て記録した『グリーフケア―心の痛みに寄り添う』をいわき市の牧師が発刊し た。著者は保守バプ・いわき希望教会牧師で医師の伊藤順造さん。
 伊藤さんは「3・11大震災の前後で変わらなかったこと、それは、心の痛み に寄り添うという作業でした」と言う。20年来、がん患者とその家族から、が んや死に直面した心の痛みを聴き取るグリーフケアの働きをしてきた。
 本書では心の動きを時系列に記録する「グリーフケアグラフ」を使ったケアの 方法を具体的事例とともに紹介する。詩篇に現れる悲嘆や、聖書の人物の事例も 参照し、グリーフケアから「神との対話」にまで引き上げるプロセスを説明。が ん外来の記録は13人、被災者の記録は8ヶ月間に傾聴した約300人から抽出 している。
 本書の?部ではがん患者・家族の具体的事例の記録と聖書的なグリーフケアの 説明、?部では東日本大震災後50日間における自身の心の動きと回復の記 録、?部は傾聴した被災者の叫びの記録で構 成される。(高橋良知)

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