東日本大震災から11年。

1月27日に、当時福島県在住で6~16歳だった男女6人が、甲状腺がんになったのは東京電力福島第一原発事故による放射線被ばくの影響だとして、東電に6億1千600万円の損害賠償を求めて東京地裁に提訴した。原発事故と甲状腺がんの因果関係を問う初めての集団訴訟となる。

弁護団によると、福島県で事故当時18歳以下だった約38万人の内、現在甲状腺がんやその疑いが266人、222人が手術したという。通常小児甲状腺がんの発症数は年間100万人に1~2人程度。これまで県民健康調査の検討委員会は「放射線の影響は考えにくい」としている。

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昨年11月23~24日に開催された日本福音同盟(JEA)宣教フォーラム福島2021(宣教フォーラム福島実行委員会・JEA宣教委員会共催)で、JEA女性委員会による「かたりば特別編」が開かれた。テーマは「しゃべっぺ! きくべ! 福島のこと」。

 

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東京基督教大学(TCU)修士2年の木田友子さん、保守バプテスト・北信カルバリー教会の久場祥子さん、同盟・勿来キリスト福音教会の住吉美和子さんの体験を聞いた。

岩手大学在学中に被災した木田さんは、福島県キリスト教連絡会のもとに設立された「ふくしまHOPEプロジェクト」で働いた経験を語った。

福島県下の子どもたちと家族の心と体と魂をケアする働きだ。子どもたちを放射能の心配のない自然の中に連れて行く中で、多くのお母さんが抱える不安に耳を傾けた。福島で生きる意味を考えたという人もいた。

お母さん同士では放射能の話ができない雰囲気がある。福島で生きるからこそ生まれる葛藤を、多くの人が抱えていると知った。お母さんたちが安心して話せる場を提供することも、大切な働きだった。

「挫折や敗北を味わい、心に傷を負いすぎると、人は黙るのだとわかりました」
時と思いを分かち合い、表には現れにくい小さな声に耳を傾け、届けたい。そのために、自らが主によって整えられるために、TCUに入って学んでいる。
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久場さんは「もう10年なのか、まだ10年なのか」と、震災を振り返った。悲しい思いをした福島の子どもたちは、今たくましく成長している。不安を抱える親たちにとって、子どもの笑顔は慰めと力になった。

久場さんの子どもたちは当時5歳と9歳。ずっと低線量被ばくと向き合って生きてきた。当時は様々なことが制限されて、子どもたちは外で思い切り遊べなかった。学校は除染されても、自宅の除染は4年後だった。

「福島の子どもを守りたい」と、地元の教会は手を携えた。北信カルバリー教会は子どもたちのために教会堂内に遊び場を提供した。

これは現在のNPOの働きにつながった。県外から安心して食べられる野菜などの食料支援は、ふくしま教会復興支援ネットワークの働きの一つになった。

県外避難した子どもたちの中には、いじめを受ける子どももいた。被災地で苦しみ、避難先でさらにつらい思いをするのかと、胸を痛めたという。

「安心して生きることができれば、子どもはちゃんと発達します。子どもたちを導く責任が、私たちにはあります。痛み苦しみを生み、未来を脅かす原子力をどう扱うのか。大切な子どもたちの救いのために、私たちが道ぞなえをしていきましょう」

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いわき市の住吉さんは当時市の保育士をしていて、迫る津波の恐怖を体験した。多くの人が津波にのまれた中で、自分が助かった意味を問うてきた。震災直後、断水や物資不足の中で、自宅で介護をしていたり病人を抱えていて避難できない人たちがいることにショックを受けた、、、、、

(住吉さんはさらに、避難者の思いについて語ります。クリスチャン新聞2022年2月13日号掲載記事)