【3.11特集】福島 帰還・移住者らと 双葉希望キリスト教会 住吉英治
ローマ書12章15節「喜んでいる者たちとともに喜び、泣いている者たちとともに泣きなさい。」
あれから11年
私たち教会が支援活動を行っていく中で思わされたのは、支援はする側も受ける側も共に生きるという行為であり、一緒に喜び一緒に泣く行為だということです。私の支援活動のモットーは“共に生きる”と言うことです。今も変わらず継続しています。
あれから11年。原発事故を起こした福島、浜通り、それも特に双葉郡は深刻です。人々の帰還率は約20%。みんな必死に生きようとしています。移住した人たちも希望を持って生きようとしています。しかし、そこから魂の悲痛なうめきと叫び声が聞こえるのです。
双葉希望キリスト教会の設立
仮設住宅が段々と閉じられ、双葉郡に帰還する人、移住する人と分かれました。そのような時、双葉郡富岡町に友だちの家があることを知り、神さまからそこを教会にしなさいという導きを受け、リフォームに取りかかりました。実に多くの方々の祈りとご支援によってリフォームはほぼ完成しました。この場を借りて感謝申し上げます。
双葉希望キリスト教会(以下「双葉教会」)は2021年4月4日のイースターから礼拝を始め、ここに至るまで一度も休むことなく続けてこられたのは感謝です。礼拝は午後3時からです。ここが双葉郡の人々の希望の光となることを強く願い祈っています。
レインボーブリッジ・プロジェクト
勿来キリスト福音教会・双葉教会の宣教を担う働きとしてのレインボーブリッジ・プロジェクト(虹の架け橋=RBP)を立ち上げました。このプロジェクトの目的の第一は、双葉郡に帰還された方と移住された方とをつなぐ架け橋となることです。
互いに情報など交換し、教会や各施設でお茶会など持ち、交流を行い、寄り添う働きです。第二は、「安らぎの宿・故郷の宿」として双葉教会を提供することです。すでに移住された方が利用してくださっています。無料です。第三は、「祈りの家・静想の時」として用いていただくことです。
RBPの今後の働きとして、他県から双葉郡に移住者を募り、町村の復興の仕事に携わっていただいたり、自分たちで仕事を創り出し、そこで働いてもらうことも考えています。この記事を見た方は是非双葉に来てください。待っています!!
宣教チームによる双葉郡巡回伝道〜双葉郡をキリストの香りのする町村に〜
この春あたりから宣教チームを組み、双葉郡全体を巡回リサーチし、あまねく福音を伝えてゆきたいと計画しています。この4月から双葉教会への牧師夫妻の赴任も決まり、宣教師、協力者も与えられつつあります。
双葉郡をキリストの香りのする町村に!! 仏教・神社の崩壊〜心の拠り所の喪失〜キリストにある新生、希望を
双葉郡にあるお寺も神社も震災と原発事故により避難を余儀なくされました。地域のコミュニティーが破壊されたのです。帰ってきても社の再建からしなければならず、深刻なのは門徒が移住し、ほとんどいなくなったことです。つまり収入が激減し、生活そのものが成り立ちゆかなくなっているのです。
これらの大震災や原発事故が神さまのみ手の内にあることをやっと受け止めることができるようになりました。神さまは人々の生活の基盤を壊し、心の拠り所を壊されました。なぜでしょうか。
それは真の神に立ち返り、キリストの十字架の愛によって生活の基盤を再建し、心の拠り所を立て直すようにとの御旨です。教会もクリスチャンもボーッとしてはいられません。いのちを賭けてそれぞれの地域に、そして双葉郡にキリストの愛を伝えていかなければなりません。アーメン!!
終わりに
昨年5月の連休時に、双葉郡浪江町からいわきに避難し、埼玉に移住されたKさん夫妻(60歳前後)が双葉教会に10日間ほど宿泊されました。礼拝にも出られました。震災直後からの長い付き合いでもあり、久しぶりに話が弾みました。その中で奥さんの口から東電の原発事故に対する恨み、つらみ、憎しみが止めどなくあふれ出てきました。このような思いを持ち、亡くなっていく人は沢山います。
結論から言えば、福音こそがその人を苦しみから解放し平安を与えることができると確信します。これは重たい課題であり、改めて述べる機会があればと願っています。(問い合わせ先TEL090・3980・1014住吉)
(クリスチャン新聞web版掲載記事)