【書評】「神学をする」ことは聖化につながる 『自分を知り、神を知る 聖書理解を助ける6つの鍵』 評・羽鳥頼和
自由ケ丘キリスト教会の教会学校では、日曜のクラスで、「成長」を用い、平日の子ども祈祷会では、鞭木由行著『はじめての信仰問答 キリスト教がよくわかる』(いのちのことば社)を用いています。聖書の物語と信仰問答(教理)を子どもたちに教えたかったからです。本書は信徒向けに教理面である組織神学をやさしく教えてくれています。
日本の教会は、神学が弱いと言われることがあります。さらに、近年、聖書による教理形成に懐疑的である風潮が目立ってきています。そんな中で、本書は、組織神学をわかりやすく教える入門書として意義があります。信仰生活で「神学をする」ことを教えてくれます。神学を単なる知識にするのではなく、信仰生活、そして聖化につながることとして教えています。本書は、神学をわかりやすく教える信仰書といえます。
私は、神学校でキリスト教弁証論を教えています。テキストはジョン・フレームの著書を使っています。フレームは、ヴァンティルの後継者といえる方です。本書では、この両者に触れながら、弁証論的アプローチで組織神学を信徒にもわかりやすく語っています。本書には他にも著名な学者や専門用語が出てきますが、やさしく丁寧な説明とともに脚注、巻末の用語一覧などで、信徒にもわかるように教えてくれています。
本書は「神学シリーズ」と銘打たれシリーズ化する計画があるのだと思います。著者は、現在名古屋の神学校で教え、地域の文化センターでも一般の方々にキリスト教を教えている教育者であるとともに、地域教会の開拓伝道に協力しておられます。このように日本をよく理解しておられる著者がさらに日本の教会に有益な本を執筆してくれることを期待します。
(評・羽鳥頼和=日本福音キリスト教会連合自由ケ丘キリスト教会牧師)
『自分を知り、神を知る 聖書理解を助ける6つの鍵』
リチャード・ブラッシュ著、
木綿子ブラッシュ訳、
いのちのことば社、1,760円税込、B6判
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