「オデッサにいつ戻れるか、正しく見極められますように」 ウクライナ船越宣教師報告 2022年6月19日

ウクライナの船越真人宣教師から現地の情報が6月19日に編集部あて寄せられた。
◇   ◇   ◇
愛するみなさまのお祈りに心から感謝します。
今日(6月18日、土曜日)私たちはニコライエフ北方にあるマリフカ村に支援物資を届けに行くことができました(マリフカ村はオデッサから片道3時間の道のりで、朝6時にオデッサを出発、9時に到着してから支援物資の配布を始め、4時に終了、オデッサに7時に戻ってきました)。 今日ともに行くことができたのは、アントン兄、ジェーニャZ兄、ジェーニャCh兄、ミラスラヴァ姉、ヴァレラ(ジェーニャZ兄の友人で、まだ救われていません)、真人、美貴の7名でした。
今日行ったマリフカ村は、今年3月に約10日間にわたってロシア軍に占領されていた村ですが、この村でのロシア軍による組織的な破壊行為や虐殺行為はなかったそうです。3月下旬にロシア軍が撤退してからは、ニコライエフ南部やヘルソン方面から、家が破壊された人々が避難民としてここに来ているケースが多く、実際に今日、支援物資を届けた人々もそのような形でマリフカ村に避難してきている人々が大半でした。
今日出会った人々の中には、もと住んでいた場所での家を完全に破壊されて住む場所を失った人や、自分の息子がドネツク地方で兵役についているが現在安否が不明で夜も眠れないというお母さんや、夫がマリウポリで兵役についていたが投降して捕虜となり、現在はロシアに連れて行かれていて今後どのような処遇を受けるか分からない不安と恐れを涙ながらに訴える女性(その様子を10歳の娘さんがじっと見ている姿が本当に痛ましかった)に出会いました。彼らの訴えを聞きながら、ともに主の慰めと守りと励ましをただ祈るばかりでした。
今日、私たちが物資の配布をしていた時間中も数分に一回の間隔で遠方から爆発音が轟いており、ニコライエフ東南部では激しい戦闘が続いていることを実感させられました。今日はマカリフ村役場の職員の方の案内に従って約25の世帯を訪ねて行き、支援物資とクリスチャン書籍を渡しながら、短い証と福音のメッセージを語らせていただく形となりました。今日、出会った人々(そのほとんどが生活基盤を破壊されています)の生活基盤が回復し(特に子供たちの生活が)、安全が守られ、福音の種が育って救いに導かれ、教会につながって霊的な歩みを始めることができるように心から願っています。また、今日、ともに行くことができた4名の兄姉(アントン兄、ジェーニャZ兄、ジェーニャCh兄、ミラスラヴァ姉)の祝福、そしてヴァレラの救いのためにもお祈りください。次回のニコライエフ行きの計画もすでに始まっています。続けてこのプロジェクトの祝福と宣教の前進をお祈りください。(そして、早くニコライエフでの戦闘が終息し、平和な日々が戻るようにお祈りください。)
家内と私は明日(6月19日)オデッサ教会で礼拝します。(昨夜はオデッサで夜を過ごしましたが、夜中の2時ごろ、二度にわたりロシア軍が発射したミサイルを迎撃する轟音が町中に響き渡りました。日中も数回にわたり空襲警報がなっていました。)翌週6月26日(日)はチューリッヒのスイス日本語福音キリスト教会で奉仕(メッセージと宣教報告)させていただく予定です。7月3日(日)はミラノ賛美教会での奉仕(メッセージと宣教報告)、7月10日(日)オランダ南部キリスト教会での奉仕(メッセージと宣教報告)の予定です。それぞれの教会での働きが祝福され用いられるようにお祈りください。7月17日(日)はオデッサ教会での礼拝です。7月後半はオデッサでの働きに比重を戻していきたいと願っています。ベリカ・ビーガンからオデッサにいつ戻れるのか、その見極めを正しくすることができるように、主からの知恵と導きを受け取ることができるように、お祈りください。
ご存知のように、現在、ドンバス地方ではウクライナ軍とロシア軍の間での熾烈な戦いが繰り広げられています。ロシア軍は圧倒的な火力によってウクライナ軍を猛攻撃しており(兵器の数の比率が1対10、場合によっては1対20となることさえある中でウクライナ軍は死闘を強いられています)ロシア軍がじわじわと支配領域を拡大している状態だと報道されています。もしもロシア軍がドンバス2州を完全制圧すれば、ドンバス2州とクリミア半島において軍の体制を整えて、そこを足掛かりにザポリジャ州とニコライエフ州への攻撃を強化し、その先のオデッサへ進軍することが予測されています。
しかし、なかなか当初の予定通りに届いていないと言われている西側諸国からウクライナに供与される武器が(今度こそ)前線に到着して7月初旬に実戦配備されるようになると、ウクライナがロシア軍の進軍を阻み、さらには押し返す形で戦況が変化することが期待されます。このどちらに傾くのかで、私たちの動きも大きく変わってきます。現時点はまだ何も確定的なことを言うことはできません。私たちは日々固唾を飲んで情勢を見守っています。私たちは、7月下旬にはオデッサに戻るプロセスを開始できるか、あるいはベリカ・ビーガンでの避難生活をさらに延期する必要があるか、7月14日を目度にそれを決めることにしています。主からの知恵と導きが与えられるように、どうかお祈りください。
愛する兄姉の尊いお祈りとご支援に心から感謝しています。 みなさまの上に主の祝福が豊かにありますように、心から祈っています。
船越真人・美貴