アジア福音同盟女性委員会・子ども委員会主催による「D6ファミリーカンファレンス」が6月に開催されれた。連載第4回は信仰継承の援助を数十年にわたり実践してきたキャサリーン・トロク-モルフック氏による「家族の健康回復と弟子訓練」。

前回まで

「D6ファミリーカンファレンス」アジアで 申命記6章に基づき次世代育成 教会と家庭で 2022年06月26日号

☆教会と家族の間に橋をかける 子どもの信仰形成 教会任せにしない D6① 2022年07月10日号

愛と尊敬 夫婦の違いを受け入れともに神の栄光を現す D6② 2022年07月17日号

教会から離れる子どもたち 彼らの疑問を共に考え真理を目指し寄り添う D6③ 2022年07月31日号

 

Ⅰ 世代を越えた交わり

モーセはエジプトを出る時、ファラオに「若い者も年寄りも一緒に行きます。息子たちも娘たちも」(出エジプト10・9)と告げた。モーセは神のみこころが、全世代の共同体であることを深く理解していた。

アメリカのキリスト教調査機関である「バーナ」により、現在、多くの教会で、子どもや若者たちが年配者と一緒に礼拝をささげていないという報告がなされた。アメリカでは18歳から29歳までの教会で育った3分の2の子どもたちがいつの間にかいなくなっていると言う。これは危機的なことであり、残った3分の1の子どもたちをバーナは「揺るがない弟子」と呼んでいる。

「揺るがない弟子」は、どうして残ることができたのか。それは教会に励ましてくれる大人たち(大人の友だち)がいたからだ。「揺るがない弟子」となるためには人間関係が大切だ。手を差し伸べる責任は、親だけでもなく、教師だけでもなく、教会という信仰共同体全体にある。教会はあらゆる年代の人たちが家族のように集まり、互いに助け合い、いたわり合い、交わりを深め合い、そのようにして具体的に主なる神様を知るのである。

 

Ⅱ 神様のみ声を聞く

主なる神様は生きておられ、ご自分の民に語りかけてくださる。「揺るがない弟子」の多くは、イエス様との関係を楽しんでいる。そして神様は自分たちにわかるような方法で語りかけてくださると、彼らは答えている。神様の御声は、小さな子どもを通しても聞くことができ、しかもそれは時に、とても大切なことだ。

 

Ⅲ 信仰を分かち合う

家族や周りの人たちに証しをするということだ。神の友と呼ばれたダビデも次の世代に神様の素晴らしさを伝えることができるようにと祈っている(詩篇71・8)。「あなたは心を尽くし、いのちを尽くし、力を尽くして、あなたの神、主を愛しなさい。…これをあなたの子どもたちによく教え込みなさい」(申命記6・5~7)。これが弟子訓練であり、霊的な育成ということでもある。

バーナの調査によると、「揺るがない弟子」はみな、「教会で誰かが証しを分かち合ってくれた」と答えている。証しを分かち合うことは、教会において信仰を回復させる大きな役割を果たす。

 

以上三つのことを見てきたが、これらは重要であると同時に、聖霊の助けなしに、自分の力ではできないということも覚えておきたい。子どもたちにも、聖霊の力に依り頼むことを教えていこう。聖霊は、神が天の父であることを教え、すべての真理に導き、平和と慰めを与え、私たちを悪いものから守り、勇気と大胆さを与えてくれる。罪を示し、私たちに代わって祈ってくれる。霊的賜物を分かち合わせ、御霊の実を結ばせてくださる。証しする力を与え、語るべきことを教えてくれる。そして聖霊は私たちをキリストに似た者に変えてくれる。

頼るべきは、プログラムや方法、また個人的な関係ではない。神であるご聖霊との途切れることのない豊かな交わりによって、主なる神様が働いてくださるのである。

クリスチャン新聞web版掲載記事)