新約の神は「愛」だが、旧約の神は「厳しい」といったイメージが聞かれる。差別、抑圧、戦争の正当化に旧約聖書が用いられた歴史もある。『ヤバい神 不都合な記事による旧約聖書入門』(トーマス・レーマー著、白田浩一訳、新教出版、2千420円税込、四六判)は、「神は男性か」「残忍か」「好戦的か」などの問いに、異教社会の時代背景を踏まえ、聖書の神が明確にしたメッセージを解説する。

 


旧約は現代に語りうる。『旧約聖書における自然・歴史・王権』(山我哲雄著、教文館、2千530円税込、四六判)では、神、自然、人間というエコロジカルな問題や、平和のテーマに関して、支配や権力の責任、限度という点から考えていける。

 

 
旧約が現代に正しく適用されるため、翻訳は重要だ。『ここが変わった!「聖書協会共同訳」旧約編』(大島力・小友聡・島先克臣編、日本キリスト教団出版局、千320円税込、四六判)は新共同訳や新改訳2017と比べつつ、聖書協会共同訳の訳語を解説する。聖書時代の歴史背景とともに、訳者自身の解釈や「暗黙の差別感覚」が入り込むことに注意を向ける。同書編者の一人小友氏による『旧約聖書と教会 今、旧約聖書を読み解く』(教文館、2千200円税込、四六判)は、教会の現場で参考になる論集。旧約から試練や摂理、応報主義の問題、礼拝や法、聖餐についても触れる。

 


旧約の中心となる律法、十戒は、「古い道徳」、「拘束」、「愛ではない」のだろうか。『契約と贖いから味わう「神のことば」 私なりの「十戒」』(赤江弘之著、いのちのことば社、2千420円税込、四六判)の著者は、キリスト教は心の中の平安だけを扱うのではなく、生活にかかわるものであり、「十戒」は「神を信じて生きる道」だと語る。本書では、旧約から新約にいたる「契約と贖い」の全体像を示し、後半で十戒の各内容を、牧会経験や世情に触れながら解説する。

 

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