クリスマスを待ち望みながら、世界の子どもたちに目を向ける、アドベントカレンダー式「クリスマス募金箱」の取り組みを国際NGОワールド・ビジョン・ジャパン(WVJ)が進めている。コロナ禍でこの発送作業が困難になったが、日本と世界の青少年をつなぐ新たな広がりが生まれた。

クリスマス募金箱

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11月4日、東京・世田谷区の恵泉女学園中学・高等学校では、前日の文化祭の片づけのため生徒たちが動き回っていた。その後の時間を利用し、中学1年生が「クリスマス募金箱」を希望者に送る封筒詰め作業を行った。
WVJでは例年ボランティアスタッフが封入作業をしてきたが、コロナ禍で集まることが困難になった。スタッフの加藤早紀さんは、同校出身で卒業後WVJとして、同校で活動を紹介してきた。同校では毎年クリスマス時期などに、福祉・保育施設などでの奉仕活動をしてきたが、コロナ禍で訪問が困難になる中、昨年から新たな奉仕活動として募金箱発送作業が受け入れられた。

封筒詰め作業をする生徒たち

作業に先立ち、「世界で1億9千万人以上が飢餓状態にあり、ワールド・ビジョンでは、水、食料の支援をしている」と説明。使徒20章35節を引用し、「ボランティアは誰かのために何かをやってあげる、というだけでなく、自らを耕すことにもなる。『恵泉のクリスマスは分かち合うクリスマス』。単純作業と思わず、今回のことで救われる命が必ずある、と思ってくれれば」と話した。
生徒たちは作業を分担し、封筒に募金箱や資料などを入れた。数が足りない資料があるとみなで確認した。
初めてのボランティアという人も多かった。「ボランティアというと川の清掃だったり、紛争や飢餓の現場に出かけていくものだと思ったが、間接的な働きもあるのだとわかった」、「直接ではなくても身近に支援ができるのだと思った」という声が聞かれた。
今年の募金箱のデザインは、発達障がい(自閉症)を伴うアーティストの輪島貫太さん。にぎやかなキャラクターたちの集合絵が国内外で注目を集める。
クリスマス募金箱の利用期間は12月1~24日。3千部先着申込制。「教会学校で実施するところもある。スタッフが訪問して説明することもできる。額に関わらず子どもたちが心を込めて捧げた思いを感じます」
募金箱の申し込みや詳細はURL https://www.worldvision.jp/donate/christmas_kifu.html

クリスチャン新聞web版掲載記事)