日本CGNTV震災特番「それは愛だった」 娘失った女性の悲しみ映す
様々なキリスト教番組を制作し、衛星放送を通して24時間365日届ける日本クリスチャン・グローバル・ネットワークTV(日本CGNTV)=イ・ジェフン代表=は、東日本大震災から1年を覚え、特集ドキュメンタリー「それは愛だった」を制作、放送した。
「いないんだってことが分かりましたね。見たとき、ああいないんだって。やっぱりつらいですね。世の中の方々流されたんですよね。一緒に働いていた人たちも、急になくなった。つらいですね…」
「それは愛だった」(30分番組)の冒頭は、津波により娘を失った石巻在住の阿部八重子さんの言葉で始まる。八重子さんは、津波で瓦礫と化した街をただただ涙を浮かべながら見つめていた。
娘の知子さんを震災で失った。知子さんは東松島市にある介護施設で働いていたが、逃げ遅れて津波にのみこまれてしまったのだ。知子さんが働いていた場所は時計が止まっていたかのように、1年前の津波の跡がそのまま残されていた。
八重子さんは、震災の記憶を忘れるため趣味の手芸に没頭。部屋には、知子さんの笑顔の写真が飾ってあった。
八重子さんは、「昼間は忙しさに紛れるけれど、夜になると娘のことが思いだされて、無性に会いたくなる。まだ娘の記憶が鮮明に残っています」と言う。娘はもうこの世にいない、その事実に心が痛み、泣かずに寝られる日はなかった…。だが、そんな八重子さんの心の支えが教会だった。八重子さんには、困難な時に、そばで慰め、祈ってくれた石巻祈りの家のメンバーがいた。その一人、阿部秀子さんは言う。「八重子さんは大変な気持ちで過ごしてきた。だから、泣くときは一緒に泣いた。そして、ただ神様が八重子さんの心に触れてくれるよう祈りました」(中田 朗)
番組はURL http://japan.cgntv.net/で視聴できる。
写真=瓦礫の街を見つめる阿部八重子さん。左は撮影中のスタッフ 写真提供=日本CGNTV