つらく寒い冬を神の愛で希望に
ハンガーゼロ総主事 近藤高史氏

「第25回断食祈祷聖会2023」(同実行委員会主催)が1月9、10日、「御霊によって歩もう」をテーマに蓮根バプテスト教会(メイン会場、東京・板橋区)、赤坂教会(サテライト会場、東京・港区)とオンライン併用で開催。初日の講演①では、近藤高史氏(ハンガーゼロ総主事)が「ウクライナ危機と祈り」と題して語った。【中田 朗】
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以下はその要約。
─ロシアがウクライナを侵攻してからもうすぐ1年。昨年3月、ウクライナとポーランド国境の町メディカにいた私は、1日千人超の避難民が来るのを見た。
現在、ウクライナの人々は700万人以上が国外に逃れ難民となっている。国内避難民と合わせると千140万人に上る。そのいちばんの被害者は子どもと高齢者だ。
ウクライナで支援活動をしている二人の方を紹介したい。
一人は台湾出身の王楠穎(おう・なんえい)さん。彼とはメディカで会った。ハルキウで博士号取得のための勉強をしていた王さんは、自宅近くにロシア軍の爆撃を受けた。いのち拾いをしたが、開戦3日で体重が3キロ減った。
4月から6月まで国際志願軍(義勇兵)に参加。いのちの危険を感じ、何度も聖書を読んだ。その後、ハンガーゼロのスタッフになり、避難民を日本にお連れする働きをした。ウクライナ語、ロシア語、日本語ができる王さんは貴重な人材だ。

近藤高史氏

現地で物資の長距離運送もしている。物資をポーランドで調達し、現地に入る。ウクライナの教会の神学生と連絡を取り合い、6、7時間かけて届けている。
現地はロシアの爆撃で毎日停電しており、厳寒の中、暖を取れない状況だ。日本から送った携帯カイロ2万個余りは、まもなく王さんがウクライナで配布を始める予定だ。
もう一人はオデーサに24年間、ウクライナで宣教をしておられる船越真人宣教師。船越夫妻は、戦闘が始まってからしばらくはウクライナ西部の町に避難していたが、昨年6月頃から再びオデーサに戻り、近隣の村々に物資を運ぶ働きをしている。
12月5日から、オデーサのホーリートリニティ教会で「HОPEウィンター」という活動を始めた。夕方5時に教会に集まり、断水や停電が続く中、一緒に食事を作り、食事をし、賛美し、聖書の学びをし、交わりをするというものだ。5時から8時まで毎日行われ、1か月たった今も続いている。「オデーサでいちばんつらく悲しく寒い冬を、神様の愛で楽しい、明るい、希望の冬に変えるんだという、そんな思いがわいてきます」と語る船越氏の言葉に驚かされた、、、、、、、

2023年01月29日号掲載記事)