2・11集会 激動の時代に信仰の自由を祈り続ける 信仰の自由ネットワーク「祈るつどい」
信仰の自由ネットワーク主催「2・11信仰の自由を祈るつどい」が、2月11日、神戸市中央区の神戸神学館チャペルでオンライン併用で開かれた。メインテーマは「信仰の自由の重要性~世界の激動と日本の宗教政策」。祈りのテーマは「世界の情勢」「日本の教育」「日本の国家社会(特に旧統一協会問題と関連して)」における信仰の自由について。各テーマで情報や考察を分かち合った後、祈りを共にした。
初めに世話人代表の瀧浦滋氏が「今世界は激動の時に入っています。日本は元首相の暗殺事件を機に、宗教政策が注目されている。私たちは信仰と良心の自由を見つめ続け、神の支配を信じ続ける責任があると思います」と、呼びかけた。
改革長老・東須磨教会牧師の坂井純人氏が詩篇2篇7~12節から「本来は神に仕えるために与えられる権力が、人間の欲望のために用いられている。十字架の主の前に罪を告白し、国家や戦争のために苦しむ人々のためにとりなしの祈りを捧げよう」と、説いた。
大阪キリスト教短期大学教授の池田美芽氏が、地震で大きな被害を受けたシリアについて、ほとんど情報が入らないこと、独裁政権で混乱の極みにある国で、犠牲になっているのは女性や子どもであると訴えた。「信教の自由が命の尊厳にまで関わるということを忘れてはいけません」
単立・加古川バプテスト教会牧師の太田良輔氏は、教会からウクライナ宣教師として送り出した船越真人宣教師夫妻の現地での働きに触れ「そこにとどまることでウクライナの人々に寄り添い、福音を伝えられている。共産主義教育を受けた人も、福音に耳を傾けてくれる」と報告し、祈りを共にした。
日本の宗教政策に関して、旧統一協会問題が取り上げられた。瀧浦氏は、明るみに出された統一協会問題は、信仰への信頼を失墜させ、宗教法人への国家による聖域の破壊をもたらしたことが大きな問題だとした。「信仰の自由について国家社会は無知。信仰の自由の確立がいかに国家社会の益になるかを知らしめたい」と語り、宗教と国家の正しい関係を聖書に基づいて築くために、キリスト教会の自覚が必要だと呼びかけた。
日本の教育問題では、君が代不起立処分撤回裁判を闘う奥野泰孝氏が教育現場の状況について語った。「国は思考停止した同規格の人間を求めているが、本来教育は自主的精神に満ちた人間の育成を支援する場であるべきだ。今の姿は戦後78年前に国家が敷いたレールに乗ってきた結果。学問、信仰の自由が守られる社会を作って行こう。クリスチャンが警鐘を鳴らすことが、クリスチャンでない人の人権を守ることになり、間違った宗教の支配を脱するきっかけになるのではないか」
最後に瀧浦氏は「恐れてはならないと主は言われる。信仰の自由が侵されても、侵されなくても、私たちは礼拝し続けます。みことばをしっかりと抱きしめて、信仰の自由を祈りながら進んで行こう」と、励ました。
(2023年02月26日号 08面掲載記事)