安田吉三郎氏

改革派の神学者として牧会と共に神学校教育に取り組み、ジュネーブ詩編歌の翻訳、普及に尽力した安田吉三郎(やすだ・きちさぶろう)氏が、2月26日、誤嚥により神戸市内の自宅で亡くなった。92歳だった。28日に納棺式が、3月1日に葬儀が、日本キリスト改革派神港教会において行われた。司式者は、同教会代理牧師の袴田康裕氏。喪主は長女の菊地かおる氏。

1930年神戸市に生まれる。47年日本基督改革派神港教会において受洗。52年関西学院大学文学部英文科卒。56年神戸改革派神学校卒業後、太田伝道所に赴任。62年米国ウェストミンスター神学校修士課程に入学し、64年神学修士取得後、神戸改革派神学校において非常勤講師、67年より専任教授。75年東部中会勝田台伝道所協力牧師就任に伴い神学校教師を辞職。79年より2000年まで神港教会牧師。1980年神戸改革派神学校教授に就任し、87年より2001年まで非常勤講師。1997年から2000年まで理事長、以降03年まで常任理事。1991年より5期連続で日本キリスト改革派大会議長。
葬儀説教で、袴田氏は「大学時代、聖書と文学の学びに集中された安田先生の説教は、重厚で力強く、文学的な香りがし、その働きには常に文学的な香りが伴った。ヨブ記19章25~27節は先生の信仰告白そのもの、また、コロサイ1章のパウロの言葉のように、教会のために働くことを喜びとし、教会のために苦しみ、御言葉を余すところなく伝える人だった」と語った。
著書に、『ローマ人への手紙』(新聖書講解シリーズ)、他。5月に『安田吉三郎著作集』(全五巻)が、いのちのことば社より刊行開始予定。

2023年03月26日号   08面掲載記事)