ウクライナの船越真人宣教師から現地の情報が6月16日に編集部あて寄せられた。一部編集して掲載する。

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イギリス国防省は14日「過去2週間におけるウクライナ南部でのロシア軍戦闘機の出撃回数が増加している」と指摘しました。
現にオデッサでも防空警報発令の頻度が急激に増しています。
ロシア軍が航空戦力を投入し始めたかもしれないと懸念されています。
ウクライナの空が守られるようにお祈りください。

ザポリージャ原発が守られるように、お祈りください。
6月6日のカホフカダム爆破の実行犯が誰なのか、確定的にはまだ言えません。
しかし、私たちはロシアの仕業だと思っています。
ロシアは今月11日にウクライナ東部モクリヤリ・ダムを爆破しました。
先月の25日にはカルリブル貯水池のダムを攻撃、去年の9月にはクリヴィーリフ・ダムを攻撃しています。
ロシアがダムを攻撃したり破壊したりするのは(もし今回のカホフカダムの破壊もロシアによるものなら)これが初めてのことではないのです。
ご存知のように、ダム、堤防、原発のような施設を戦争中に攻撃することは国際法で禁じられていますが、ロシアは今回の侵攻を通じて、ありとあらゆる民間インフラを攻撃・破壊してきました。
ダムの破壊という行動はロシア軍の行動原理に何ら矛盾していないことです。
このような行動原理を持ったロシアが(カホフカダムとまったく同じように)現在、ザポリージャ原発を支配・管理しています。
その敷地内はロシア軍の榴(りゅう)弾砲によって要塞化されています。
その原発敷地内から反転攻勢を進めるウクライナ軍に向けて砲撃しても、ウクライナ軍はそこに対して撃ち返せません。
現在は苦戦が伝えられているウクライナの反転攻勢ですが、もし戦況がウクライナに有利に動き出したら、どこかのタイミングでロシア軍が原発に「事故」を起こして「ウクライナ軍が撃ってきた」と言い出すことが今から懸念されています。
どうか、ロシアがザポリージャ原発をそのような目的に決して使用することがないように、お祈りください。

注:ザポリージャ原発原子炉の運転そのものは現在停止されています。

船越真人・美貴