外国人の収容・送還のルールを見直す改正入管難民法が成立して1か月あまり。「難民申請者・仮放免者にお話を聞く会」が7月8日、都内の教会で開かれた。当日は難民申請中の当事者や彼らを支援するグループ、定期的に入管施設に足を運び面会活動をする牧師やクリスチャンなどが集まり、耳を傾けた。

当日は、H国から日本に逃れ、約10年間日本で生活し、うち4年間、入管収容施設で収容生活を送ったAさんが自身の体験を話した。「日本という国は、難民として来ても、ビザと在留資格がないと最初から隔離する。国は在留資格がない人に退去命令を出す。オーバーステイの場合でも収容され、退去命令が出て、本人の話を聞かずに強制送還を行うことがある。日本にいる外国人が入管に関わる場合、約8割が強制送還可能な人たちとなる」
「日本の入管収容施設は、刑務所と見た目が全く同じ」とも指摘する。「刑務所は犯罪者が入る場所。入管収容施設にはただ在留資格がないだけで入る。しかも、日本の入管がその人の在留資格を取り消しにした人たちだ。彼らは難民申請者、在留資格の期限が終わった人だ。その中には家族もおり、人生の半分以上を日本で暮らしている、ほかの国では生活できない、日本でないと過ごせない人たちだ。彼らは罪を犯したわけでもない。にもかかわらず、扱いは犯罪者とほぼ変わらない」
「収容された人たちは、人間としての権利が守られていない」とも訴える。「私が収容されていた時、同じグループの人たちは全員10年収容されていた。自殺やがんで約17人が亡くなっている。病気の場合、治療を受けなければいけないのに自分からは病院に行けない。たとえ、入管で治療を受けられても、医者に診てもらえるのは1週間から10日後だ。『子どもがいるから日本に残りたい』と、ハンガーストライキをして14日後に亡くなった人もいる」
「なぜこのような状況が続くのか」については⑴悪い法律、⑵差別、を挙げる。「日本の入管の法律は、海外から来た人に簡単には在留資格を与えない。在留資格があっても国は簡単に取り消しできる。在留資格がなかったり取り消された場合、収容される。収容後も期間が決まっていないから、入管側の都合でいくらでも延ばせる」
「日本政府にとって、日本国民と海外から来た人では対応が違う。私は今仮放免だが、同じ国にいるのに就業権、保険、投票権がない。家も簡単に借りられない。許可がなければ、今いる場所から他県に移動もできない」
しかし、「入管が自分の敵ではない」とも語る。「敵は、悪い法律だ。この法律は人権、いのちに関わるもの。ここにいる方々が、この現状を多くの人たちに伝え、政府に働きかけて、この法律を変えてほしい」と語りかけた。
続いて、BさんがH国の現状について話すとともに、日本に入国してからの歩みについて報告。「日本に来てから様々なことがあり、今、教会のサポートを受けている。今、起こっていることが奇跡。私にとってイエス様がいることだけで十分だと思っている」と証しした。
当日は、Aさん、Bさん以外にも、当事者が飛び入りで自分の体験を披露。Cさんは「私は入管収容施設に1年8か月収監されていた。その間、クリスチャンのボランティア学生の方々が訪ねてくれ、私の生活は楽になった」と感謝した。Dさんは「今日は許可をもらって埼玉から来た。今、難民申請中だ。ぜひ、大変な状況の中にある私たちのためにお祈りしてほしい」と要請した。
「悪い法律がさらに悪くなった。市民に訴えたいことがあれば」という質問に対し、Aさんは「答えは簡単、助けてほしい。日本の入管の法律が悪いこと、収容施設で人権が守られていないこと、この現実を伝えることが大事。入管のこと、入管の存在すら知らない日本の人たちが多い。入管は日本のメディアにとってブラックボックスであり、政府が外国人を監視する場所となっている。だが、メディアやSNSなどを使ってこの状況をいろいろな人たちに伝えれば国民の関心が高まり、悪い法律を決めた政治家にやり直しを求めることもできる」と答えた。

2023年07月23日号   01面掲載記事)