国内開拓伝道会(KDK)は、教団教派と協力して、経済支援のみならず、実際的、霊的なフォロー、サポートをしている。開拓者は、どのように開拓を始め、何に直面し、どのようにKDKとかかわっているか。一つの教会の事例とともに、KDKが進める、プロジェクトや新刊『開拓伝道便覧』を紹介する。

適性評価と訓練、フォロー/準備と実践に役立つ『開拓伝道便覧』

『開拓伝道便覧』国内開拓伝道会編、2千200円税込

国内開拓伝道会(KDK)が中心となり、第七回日本伝道会議(9月)においてプロジェクト「教団教派の新パートナー、開拓者アセスメント&開拓支援センター」を進めている。開拓者の適性や召命の評価、技能訓練、開拓フォローアップを行う第三者機関および、新しい宣教協力体制の在り方について提言し、実際に運用をする計画だ。
アセスメントセンターによって、開拓候補者は、自らの適性を知ることができる。開拓支援団体は、開拓候補者の適性について、セカンドオピニオンを得られ、予算計画・配分や、助言のヒントを得られる。

開拓伝道のためのマニュアルと考察

KDKでは教会開拓の準備と実践に役立つ『開拓伝道便覧』(いのちのことば社)を出版した。開拓伝道マニュアル、アンケート調査、開拓の事例と証し、実践を含む豊富な内容だ。開拓者の適性評価例やサポートの実際、宣教の方策や姿勢の転換などの実例は、開拓のみならず、様々な教会にも刺激を与えそうだ。
冒頭、座談会「開拓者のために、開拓者が語る」では、開拓経験者らが〈地域リサーチ〉〈支援体制〉〈召命〉〈転機〉〈開拓と牧師家庭〉〈効果的なミニストリー〉〈支援リソース〉〈セルフケア〉〈自己訓練〉〈開拓と神学教育〉〈開拓の楽しさ〉について語り合う。
続く「開拓伝道の進め方」では、聖書的な土台の確認とともに、日本の地域性の分析。個人による開拓支援、団体による支援についても勧める。
KDKの成り立ちや活動についても紹介。KDK受給者が証しする。開拓の経緯、直面した課題、KDKからの経済のみならず、具体的なアドバイスや霊的なサポートについて語った。
「アンケート調査」では、開拓自立、開拓者の適性判断、開拓の準備・財政戦略、各問題の対処方法が論じられる。
開拓経験者たちは開拓で先の見えない経験もするが、そこに働く神のわざを体験し、再びの開拓すら志す。「神に、『もう一度あなたに開拓をお願いしたいのだが、それは可能だろうか』と聞かれたら、迷わず『はい』と答える」との言葉にはその思いが表れている。

2023年10月08日号07面掲載記事)