5月19、20日に開催された「D6全世代信仰育成ファミリーカンファレンス」(アジア福音同盟・D6ジャパン共催、6月11日号で一部既報)から、各セッションの内容を抄録する。今回は、牧師で、神に与えられた父親の役割回復運動を世界35か国以上で展開する、カシー&ジェニー・カーステンズ夫妻が夫婦のつながりについて語る。(レポート・D6ジャパン事務局)

これまでの記事

① 「弟子づくりについてもう一度考えよう」 2023年07月16日号

② 「教会と家庭が『もう一度つながろう』」 2023年07月30日号

③ 「教会と家庭が『もう一度つながろう』」Part2 2023年08月06日号

④ 「家庭内でもう一度つながろう」 2023年08月13日号

⑤ 結婚生活においてもう一度つながろう 2023年09月03日号

 

夫婦がつながりを失う大きな要因としては、家庭や職場のストレスや、それぞれがお互いの責任や状況を理解していないこと、さらに大きな問題として、独りの世界に引きこもるメディア依存と親から受けた傷がある。そのようにして失われたつながりを回復するために必要となるのは、問題の認識、告白、決意、の三つである。

まず、正直に自分は配偶者とつながっているのかと問うことと、それを改善しようという強い思いを持つことである。次に自分は多くの間違いをしてきた結果、つながってこなかったことを相手に告白し、謝り、つながりを回復したいと伝えること。そして、この地上において聖書的に生きる、と決意することである。ここで大事なのは、つながりを回復した自分たち二人の姿と親密さをイメージすることだ。

さらに私たちの経験から、親密さを回復するための六つの要素を挙げたい。

①距離を縮める。距離を縮め、つながり、深く知り合うために触れ合い、愛情表現を求める。この時重要なのは、相手がどう感じているか、相手を中心に意識すること。

②同じ場所に居る。相手に興味を持ち、相手から学び、共に過ごす中で同じ体験をし、相手をサポートすると、相手の潜在能力が開花していく。相手の抱えるストレスや問題、悩みに共感しながら共に居ることで感情的、霊的な親密さを作り出す。自分の背後に相手がいてサポートしてくれるという安心感が大事になる。

③理解。その前提は、私たちはみな同じではなく、考え方や感じ方が違うということ。違いを認めて尊重し合い、感謝する。理解への段階として、第一に、自分を開いて相手を自分の世界に招き入れること。第二に、神が相手に与えられた豊かな心を知ること。第三は、相手の持っているコンプレックスや傷を理解すること。そのようにして理解は深まる。

④自分の心を開き、相手がそのままの自分を認め、共感してくれると信じること。つらい経験から優しさが生まれ、より深くつながり、隔てを無くし、隠し事なく自分の全てを相手に預けられるようになる。

⑤価値。神様は私たちに限りない価値ある配偶者を与えてくださり、配偶者の本当の価値があらわれるようにするよう命じられている。

⑥変化。夫婦の関係が生まれ変わることで、相手の夢が自分の夢になり、自分の夢が相手の夢になり、二人の夢が一つになる。この変化を経験した後では、私は結婚した頃とは全然違う人間になっている。神様は相手を通して私を造り変えてくださった。親密さとは、まさに二人が混ざり合い一つになる体験である。

神様は、私にパートナーを与えることで、神様が望んでいる本当の私が現れると考えられたのだ。皆さんももう一度つながり、親密になり、相手のサポートを通して、皆さん本来の自分が現れることを願っている。配偶者ともう一度つながることは楽しく、喜びであり、そしてそのことを神様も喜んでくださる。(つづく)

2023年09月10日号07面掲載記事)