【回顧と展望】カルト被害 回復模索
統一協会「救済法」「解散」なお課題
「宗教2世」への児童虐待が問題化
旧統一協会問題を受け1月に「被害者救済法」が施行されたが、被害者家族や脱会者、霊感商法対策の弁護士らからは実効性に乏しいとの声が上がった。消費者契約や寄付を取り消しできる場合を法で規定するが、「困惑」させたことが条件になっているためだ。心理操作の結果、
困惑もせず不安も感じないで契約するような状態に追い込まれることがあるため、法の網をくぐって同様の被害が続くと懸念されている。
10月、文部科学省は統一協会の解散命令を東京地裁に請求した。統一協会側は「信教の自由を侵す」と反発を強めている。裁判所が解散命令を出せば、宗教法人世界平和統一家庭連合(旧統一協会)の財産は処分され、被害者救済に充てることができる。しかし全国霊感商法対策弁護士連絡会や被害者らは、解散命令が確定するまでの間に財産が関連団体や韓国など海外に移転される可能性があると見て、財産保全の特別措置法を速やかに成立させることを求めている。だが政府与党は「信教の自由」侵害の懸念があるとして財産保全法制化には及び腰だ。
カルト問題に長年取り組んできたマインドコントロール研究所のパスカル・ズィヴィー所長は新著『世界平和統一家庭連合・旧統一協会は何を教えているのか』で「宗教法人が解散しても統一原理は解散しない、、、、、、
(2023年12月24・31日号 04面掲載記事)