「クリスチャンホームに起こるDVの現実」をテーマにした、シンポジウムが「ファミリーミニストリーサミット」主催で12月1日、オンライン開催された。栗原加代美氏(女性・人権支援センターステップ[以下「ステップ」]理事長=写真=)が講演し、パネリストとして、小渕朝子氏(臨床心理士、公認心理師)、水谷潔氏(春日井聖書教会協力牧師)、DV加害経験者A氏が立った。同サミットは、家族にかかわるテーマに取り組む16団体と8個人からなるネットワーク。第7回日本伝道会議のプロジェクトの一つとして継続している。

栗原氏はDVとは夫婦間に起こるものであり、身体的な暴力だけでなく、「人を従わせようとして、あらゆる暴力を用いること」と強調した。DV加害の原因として、愛の欠落、傷つき体験、願望や理想が不健全、などを挙げた。
クリスチャンホームに起こる要因として、「妻は夫に従うべき」についての不健全な聖書理解や、教会と家庭での信仰生活の乖離(かいり)、などがあると指摘した。
「ステップ」では、加害者の更生、被害者の回復を支援する。怒りの原因と解決方法の学びや「良い7つの習慣」(特に傾聴や受容)の実践をし、欲求充足を自分で満たし(自立)、相手の欲求充足の支援をする在り方を目指している。

小渕氏も「教会のため、伝道のため、聖書にこう書いてある、などと相手をコントロールし、『理想のクリスチャン像』を強いてないか」と問うた。教団・教会でのハラスメント相談窓口や研修を推奨。自身が取り組む「カウンセリングオフィスお茶の水」の働きを紹介した。

水谷氏は、「妻に対する夫の支配」を権威づけてきたエペソ5章22節の解釈を再吟味した。同5章18節から6章9節は一つの文脈であり、、、、、、、、

2024年01月07・14日号   02面掲載記事)