《連載》西の窓から 第7回 来たる地震災害へキリスト共同体で備え
寺田 文雄 日本アッセンブリーズ・オブ・ゴッド教団南紀リバーサイドチャーチ牧師
和歌山県の地域特色の一つは、日本有数の寺院と神社が存在することです。県北には高野山、県南には熊野三山(田辺市本宮大社、新宮市速玉大社、那智勝浦町那智大社)があり、古来の宗教地盤が根強く残る地域社会を形成しています。多くの地域は過疎化と少子高齢化が進行中です。紀北地方では、地域の有力企業の撤退があり、県全体で産業・教育・交通・医療インフラの縮小や再編成、広域化が進む変革期を迎えています。
県内の教会状況についてご紹介しますと、県内の教会数は緩やかな減少傾向にあり、牧師と教会員の高齢化も進んでいます。兼牧教会が増え、無牧教会や閉鎖状況の教会もある痛みと戦いを抱える状況です。県にある超教派の交わりの一つは、35年間続いている和歌山県牧師(親睦)会です。きっかけは、県内の伝道協力の起爆剤となった和歌山県総動員伝道(1985~86年開催)です。総伝で生まれた宣教協力スピリットから、県牧師会が88年5月に発足しました。年一度のゆるい交わりに紀北、中紀、紀南から20人前後の牧師たちが集まります。良き交わりと祈り、牧会伝道の様々な研鑽(けんさん)や分かち合い、互いの信頼関係を築く時として祝され、今日まで継続中です。また、和歌山市内を中心に紀北牧師会が持たれています。韓国人宣教師・牧師も参加する国際色のある交わりです。紀南牧師会は現在休会状態ですが、以前は新宮市内のカトリック神父や聖公会司祭も出席する幅広い関わりが持たれました。
私が住む紀南地方は、近い将来と予測される東南海トラフ巨大地震・津波発生による地域災害への準備対応が大きな課題です。数年前にJEA(日本福音同盟)援助協力委員会の先生方が、昨年は関西キリスト災害ネットワークのリーダーの方々が現地状況調査と交わりのために来紀くださいました。キリストの共同体として寄り添い、祈り関わってくださることに励まされています。
私たちの教会は41年前に教団立としてスタートし、現在は次世代への継承を進めています、、、、、、
(2024年03月03日号 06面掲載記事)