事前の準備によって防災のみならず、災害支援という形で、教会が地域で役割を果たせる可能性がある。キリスト全国災害ネット(全キ災)世話人代表の北野献慈氏(広島福音自由教会牧師)は、「何が必要かを理解しているかどうかは、どんな支援を受けるべきかに通じる」と言う。九つのポイント(左表参照)を挙げ、以下のようにコメントした。

 

◇支援の働きをしやすい教会◇

①牧師、信徒がその意義を聖書から理解している

②他の地域で被災が起こった時に、支援活動をしたことがある

③地域の教会ネットワークがあり、災害支援についても協力の約束をしている

④災害前から災害支援団体との交流がある

⑤自分たちが被災する場合について検討し備えている

⑥日頃から牧師や信徒が地域に仕える働きをしている。

⑦日頃から社協(社会福祉協議会)とつながり、担当者とつながっている。

⑧防災士がいて、防災士が地域とつながっている。

⑨防災や災害支援のために講師を招いて学んでいる。

§   §
①単に「人道支援が必要」ということだけでなく、良きサマリア人のたとえなど、聖書からの理解があるかどうか。支援ができるかどうかではなく、教会として支援活動をやる意義があるという理解をまずもってほしい。
②祈りに加えて、実際に動けるか。献金、物資送付は多くの教会で可能だ。ボランティア派遣、長期スタッフ派遣の経験があると次の災害でも動ける。

③、④地域にネットワークや取り決めがあるかどうかで、初動が一週間くらい違う。能登半島地震では、事前に防災の学びをしていた教会は2日目には支援を受け入れることができた。

⑤備蓄や、災害時の規約を用意したい。教会堂を避難場所として行政で登録もできる。牧師が災害支援に出かけた時、信徒の霊的ケアや集会のフォローも必要になる。私自身2014年の土砂災害支援での反省を受けて、19年の西日本豪雨のときは信徒リーダーのバックアップを受けて送り出してもらった。牧師が病気になったときなどでもこの体制が生かせる。

⑥町内会での清掃、自主防災会などに牧師や信徒が参加している。何か施設を運営していなくても、小さな働きでも地域とつながること大事。

⑦、⑧社協とつながっていると、保険や高速道路無料措置など手続きがスムーズにいく。近隣の災害では早い段階で情報共有会議に加わることが出来る。防災士の資格や経験があると避難所で信頼が増す。
⑨自分たちの限界が分かることで、どんな支援を受けることが必要かも理解できる。

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これらに加えて、教団教派で、災害担当の部署を設けることを、、、、、、、

参考資料などは全キ災ホームページzenkisai.net/

2024年03月10日号 04面掲載記事)