ウクライナ避難民の女性が受洗 本郷台キリスト教会で
ロシアとウクライナの戦争が2年を経過する中、日本に避難してきたウクライナ人女性の洗礼式が3月17日、神奈川県横浜市栄区のJECA・本郷台キリスト教会の礼拝で執り行われた。
洗礼を受けたのは、カテリーナ・フルトワさん。洗礼式では、池田恵賜牧師の「あなたは天地の造り主、生けるまことの神はただ一人であることを信じますか」、「神の御子イエス・キリストがあなたの救い主であることを信じますか」などの問いかけに、日本語で「はい、信じます」と力強く返答。続いて、「父と、子と、聖霊との名においてバプテスマを授ける」との池田牧師の宣言と共に、カテリーナさんは洗礼槽の中に沈んだ。洗礼式が終わると、会場からは祝福の拍手が贈られた。
オデッサ出身のカテリーナさんは2022年6月、周辺国ポーランドで支援活動をするハンガーゼロ(日本国際飢餓対策機構)を通じ、日本に避難してきた。日本では、本郷台キリスト教会を母体とする一般財団法人オアシス(池田博代表理事)の職員ら支援チームから、ビザ申請や行政の支援を受けるための手続き、教会が身元保証人になる、日本での生活支援、日本語を学ぶ支援など、様々なサポートを受けてきた。本郷台キリスト教会の礼拝にも出席。教会員に温かく迎えられ、教会員の家庭にも招かれ、ステーキハウスのウエイトレスのアルバイトも紹介してもらった。そんな中、自分の意思で「洗礼を受けたい」と表明した。
カテリーナさんをサポートしてきた月井博さん(本郷台キリスト教会アドバイザー牧師)によると、「最初の頃は精神的に不安定で、彼女のほうから『精神科に連れて行って』とお願いしてきたほどだった」という。「恐怖体験がよみがえってくるのか、レストランや家で食事をしている時に固まり、動かなくなってしまう。しかし、周りが愛情深い環境の中で生活を送るうちに恐怖心が取り除かれていったようで、今では以前のように固まることがなくなった。『教会の人たちと一緒にいると心安らぐ。家庭みたい』とも言っていた」
カテリーナさんは、祖母がクリスチャンで自分自身も幼児洗礼を受けていたと話す。「祖母は神様がどんな方で何がおできになるのか教えてくれた。つらい時はいつも神様に祈っていた」。好きな御言葉は「神はわれらの避け所 また力。苦しむとき そこにある強き助け。それゆえ われらは恐れない。たとえ地が変わり 山々が揺れ 海のただ中に移るとも」(詩篇46・1、2)だ。
今回、洗礼を受けた理由についてこう語る。「本郷台キリスト教会の皆様の助けとサポートを得られるようにしてくださった神様の恵みに応えたい、洗礼を受けることで私も温かく迎えてくれた教会の一員になりたい、と思った。ここに来て親切な皆さんに囲まれていることは、本当にありがたいことだから」