『これは権力によらず、能力によらず、わたしの霊によるのである』と万軍の主は仰せられる

―教団本部棟に掲げられた御言葉

日本アッセンブリーズ・オブ・ゴッド教団

本部=東京都豊島区駒込3-15-20
TEL. 03-3918-5935
FAX. 03-3918-0474
ホームページ: https://j-ag.org/


創立70周年となる2019年に発表された教団のロゴマーク。「AG」はAssemblies of God。赤色の「J」は、主イエス(Jesus)の福音が、聖霊の炎に燃やされて日本(Japan)中に、そして世界に広がっていく様子を表したもの。

神に召し出された者の集まり

聖霊に満たされた伝道教団として

日本アッセンブリーズ・オブ・ゴッド教団(以下アッセンブリー教団)は聖書信仰に立ち、「使徒の働き」のペンテコステの出来事を出発点とし、再臨の主を待ち望み、聖霊に満たされて伝道する教団として歩んでいる。Assemblies of Godとは、ἐκκλησία(エクレシア)を訳したもので、「神に召し出された者の集まり」という意味である。すなわち、人為的に結成されたのではなく、神によって呼び集められたことを大切にしている。
1901年1月1日の米国カンザス州トペカの聖書学校で、また1906年のロサンゼルス・アズサ街の教会で注がれた聖霊の恵みは、全米各地に大波のように広がっていった。使徒1章8節にある聖霊の力に満たされた聖徒らは、キリストの証人としてさらに世界各地に出て行った。
1907年に宣教師によって異言の伴う聖霊のバプテスマの恵みが日本に伝えられ、日本各地にペンテコステの恵みの基礎が築かれていく。そして第二次世界大戦後の廃墟の中で、神はかわいた地を潤す雨のように聖霊の恵みを降り注ぎ、1949年にアッセンブリー教団の創立総会が開かれ、13教会が加盟した。
海外のアッセンブリー教団の献げものによって、1950年に東京駒込の土地が購入され、教団本部や校舎が建設され、中央聖書学校(現・中央聖書神学校、CBC)が設立された。CBCで訓練された伝道者たちが全国各地に働き人として遣わされたことが、教団発展の大きな要因の一つになっている。
また伝道進展の原動力となったのは、全国聖会だった。聖霊の炎に燃やされた参加者は、それぞれの教会に帰っていき、力強く伝道をした。各地に次々と教区が設置され(全11教区)、各地の教区聖会においても聖霊に満たされて新しい力が注がれた。
聖霊の力は国内にとどまらず、1960年には米国施政下の沖縄へ、1966年にはペルーへ、さらに台湾、香港、フィリピン、イスラエル、モンゴル、カンボジア、米国(邦人伝道)へと海外宣教師が送り出されていき、全教会は祈りと献げものを通して「私たちの宣教」としている。
1986年から始まった「アッセンブリー一九九九」計画は、開拓伝道(全都道府県にアッセンブリー教会)、教会成長、青少年伝道の三つを柱とし、教団創立50周年目の1999年に200の教会、50の伝道所、2万人の信徒という目標を掲げた、教団挙げての総合伝道計画である。15年にわたるプロジェクトの結果、1999年11月の時点で教会数は135、伝道所数は66、信徒数は正会員9279人に成長した。
1988年にJEA(日本福音同盟)に加盟し、1998年のJPC(日本ペンテコステ協議会)、2010年のJPN(日本ペンテコステネットワーク)の創設に大きく関わり、国内の諸教派とも協力関係を深めている。
2000年以降になると成長に陰りが見え始める。しかし2005年のろう者聖書学校開校によるろう者伝道師の誕生、2008年のCBC通信科の設置など、多様化する社会にあって働き人の養成を続けてきた。


教団創立記念礼拝(中央が弓山喜代馬初代総理、1949年4月29日)


教団創立10周年記念全国大聖会(1959年5月)

キリストの御体としての教団

宣教の前進のために全力を尽くす

成熟期を迎えた教団が、衰退期ではなく宣教力をUPして発展期を迎えるべく、「リノベート・アッセンブリー21」という宣教戦略を掲げた後の2011年に、東日本大震災が起こる。地域にある教会の姿勢が問われ、御霊による愛の輪が広がっていくこと、また社会の多様化、グローバル化、技術革新に個教会だけで対応することは困難なため、一つになって前進すべく、教団をあげての対応を目指している。
加速度的に進むICT化社会にあって、ソーシャルメディア伝道推進チームを立ち上げ、二つのIT担当チームが、広報と情報共有のために、公式サイト、教職者専用サイト、信徒専用サイトを運営している。コロナ禍を機にオンラインによる教団総会にもいち早く対応した。祈祷推進委員会もオンラインを積極的に活用して、熱心な祈りの運動を全国的に展開している。
青少年伝道委員会を青少年伝道部とし、実行力のある伝道を推進している。宣教戦略室を中心に、教会をキャンパスにした「AGバイブルアカデミー・ジャパン」、信徒の賜物の活用する「賜物バンク」、教会の活性化とチーム化を支援する「Acts 2 Journey」プログラムを開始した。また信徒がさらに伝道牧会に携わる準教師制度も始まっている。CBCも新課程を設け、全員参加の草の根運動というペンテコステの原点に立って、牧師・伝道師への献身に限定せず、神のために何かをしたいという方々を基礎課程に受け入れている。
教団では当初より女性教職が多くおられ、総会議員定数に女性枠を導入し、女性活躍推進室の新設などを通して女性教職の啓発を行っている。在住外国人と外国人集会の増加に対応するため、支部(言語教区)を設置した。また国際関係室が日本に宣教師を送る他国のアッセンブリー教団と宣教協定を結ぶ橋渡しをしている。
教団内外に健全なペンテコステ信仰の恵みを伝える責務を果たすべく、休止していた出版事業を再開している。また宣教研究所はシンクタンクの機能を担い、研究員制度も設け、現在はLGBTQ等を独自の視点から研究している。
ハラスメント社会にあってコンプライアンス室の設置、牧師をサポートするための教職ケア室が設置され、厚生部も老齢年金を維持すべく対応している。災害対策室も災害対策・感染対策マニュアルを発行し教会防災に努めている。
アッセンブリー教団はキリストの御体として、宣教の前進のために全力を尽くしている。


50周年事業で完成した教団施設とCBC(緑の屋根、1999年4月)


75周年事業で改築予定の教団・CBC施設

 大宣教命令に応える

ペンテコステ運動の継承

教団創立75周年を迎えた本年、「神の業を覚え、感謝し、奮い立つ」というコンセプトのもと、三つの記念行事を進めている。一つ目は記念式典・記念聖会の実施、二つ目は教団本部施設建築事業の実施、三つ目は「教団75年史」編纂事業である。加えて、教団の各部署や各教区も75周年に向けたビジョンを掲げて取り組みがなされている。
また全世界のアッセンブリー教団(WAGF)が、2033年までに100万の教会を目指す「MM33」というプロジェクトが始まっている。2033年は復活の主の昇天から2千年目、また聖霊降臨(ペンテコステ)2千年目の記念の年で、「M」はローマ数字の千を表し、MとMで2千、「33」は西暦33年。またMは「命令(Mandate)」、「使命(Mission)」のMで、「主の命令、私たちの使命」を表している。このMM33は、大宣教命令に応えていくことが目的で、教会開拓、健全な教会形成、世界宣教という三つの柱から成り立っている。
日本アッセンブリーは次世代育成を加えて4本柱としている。少子高齢化、人口減少、地方消滅という右肩下がりの時代にあっても内向きにならず、自己目的化に走らず、諸教会が主の大宣教命令に応えるべく四つの分野に取り組んでいく。そして教区は諸教会を応援・協働し、教団は教会と教区に仕え、世界と協働していくことが話し合われている。2033年に向けて、「聖書信仰」「ペンテコステ信仰」「教会性をもった共同体」という理念を共有し、オール・アッセンブリーズで協働していきたい。
ペンテコステ運動は、宣教という大きな使命に立ってきた。「主が再びお出でになるという信仰」(再臨信仰)が福音を伝えるという「宣教の動機」となり、そのために証人となる力である「聖霊のバプテスマ」を受け、聖霊によって前進していきたい。

2024年06月02・09日号 04面掲載記事)