3月8日に亡くなった神戸ルーテル神学校元校長・鍋谷堯爾(ぎょうじ)氏を偲ぶ「感謝のつどい」が、5月18日(土)に同校に隣接する青谷福音ルーテル教会で開催された。神学校関係者を中心にゆかりのある約100人が集い、鍋谷氏の思い出を語り合った。

鍋谷堯爾氏は19 30年、神戸市生まれ。48年に慶應義塾大学医学部に入学するが、病気のため転部を余儀なくされ、在学中に発病した結核の療養生活の中で信仰を持つ。57年9月に開校した神戸ルーテル神学校では開校準備の段階から主事として働き、64年には教授に、76年には校長に就任。92年に校長退任後も旧約学の教授として、長く後進の育成に当たった。また62~68年には西日本福音ルーテル教会の初代議長を務めるなど、教会内外のさまざまな要職を歴任。さらには2001年の神戸聖書展の実現に奔走するなど、神戸地区を中心とした教会間協力の中心人物でもあり続けた。

礼拝形式で行われた第1部では、鍋谷氏の後任だった同校元校長の橋本昭夫氏がメッセージ。数多くのエピソードを紹介しながら鍋谷氏の働きの広がりを振り返り、特に人を育てることに卓越していたその足跡をたどった。そして自身に批判的な人さえも応援する鍋谷氏の歩みを貫いたものを言い表すなら「シャローム」であったとし、「鍋谷先生は『シャローム』を生きた聖書学者であり、キリスト者でした」と締めくくった。

記念礼拝

第2部では鍋谷氏と関わりの深かった、伊木賢浩氏(西日本福音ルーテル教会副議長)、安東けい子氏(近畿福音ルーテル教会牧師)、I・ヒルドレ氏(ノルウェー・ルーテル伝道会)、アサコ・パルム氏(フィンランド・ルーテル宣教会)、中島光男氏(フェローシップ・ディコンリー福音教団議長)、長沢俊夫氏(いのちのことば社編集者)の6人が順に登壇。それぞれの思い出を語りながら、鍋谷氏の足跡や人柄を振り返った。

最後に鍋谷氏の3人のご子息がそろって親族代表のあいさつ。父としての鍋谷氏がそれぞれの人生に与えた影響を振り返りながら、感謝の言葉を述べた。

終了後は別室で茶話会が持たれ、集まった人たちがそれぞれに鍋谷氏の思い出を語り合いながら親交を深めた。会場には鍋谷氏の著訳書や論文なども展示され、改めてその多岐にわたる業績を実感する場ともなった。

茶話会


著訳書や論文の展示

【山口暁生】

2024年06月02・09日号 02面掲載記事)