多様な宣教にかかわる世界5千人が一堂に会し、2050年の宣教を展望する第4回ローザンヌ世界宣教会議が9月22~28日に韓国仁川で開催される。オンラインでも参加が可能で、会議期間に止まらず、「旅」になぞらえた様々なプロジェクトが進行中だ。

ローザンヌ運動のホームページでは、会議に関連して膨大な資料を公開している。世界宣教会議に向けた主要な動きを担当者が語るのが「ローザンヌ運動ポッドキャスト」(URLlausanne.org/podcast-series/lausann
e-movement)の配信だ。本連載では、このポッドキャストを中心に、世界宣教の潮流をとらえたい。

「ローザンヌ運動ポッドキャスト」は毎週テーマに即したゲストが登場。ローザンヌ運動・コンテンツ戦略担当で、南アフリカで学生宣教に従事するジェイソン・ワトソンさんが司会し、ゲストの「旅」の軌跡も交えながら語り合う。

初回から3回は、ローザンヌ運動の全体像と歴史を振り返る。4~6回は会議に関わる内容。7~11、15~17、33~35回は「大宣教命令の現状報告」に関して。ほかにも都市、ビジネス、ファンドレイジング、文化、開拓、和解、メンタリング、祈り、世代などについて、世界の多様な担い手が知見を語る。

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第一回(23年10月配信)はローザンヌ運動総裁のマイケル・オーさんが登場。オーさんは韓国系米国人。04年から16年まで日本の名古屋で宣教師として奉仕し、キリスト聖書神学校を設立した。13年から現職に就き、米国を拠点に活動している。

ローザンヌ運動について、「世界の教会で影響力を持つ人々をお互いにつなげ、世界の教会のための戦略を築いた」と意義を述べる。しかし、「成し遂げるために不可欠な燃料は信頼だ」と強調した。「私たちは自己中心的になる危険にさらされている」「世界中で年々、福音を聞いたことのない人たちが増えている」と課題を挙げた。

「何をする必要があるか、どのように行う必要があるか、そしてそれを達成する方法のベースライン」として、今年の宣教会議に向けて文書「大宣教命令の現状報告」が作成されることに期待した。

「世界宣教のために『ネットフリックス』のようなものが必要」とも表現。既存の宣教の取り組みを地域のビデオ店にたとえて「20世紀のモデルを使って21世紀の世界に取り組むことはできない。世界の教会全体を代表する世界的な宣教プラットフォームが必要」と述べて、「ソウル-インチョン2024」に集まる意義を述べた。

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第二回(同10月配信)前半には、ローザンヌ運動前総裁のダグ・バーゼルさんが登場。「おそらく宗教改革以来の教会の最大の文書は『ローザンヌ誓約』。福音派の純粋な信念、価値観を明確に述べた」とその歴史的意義を語った。

1974年第一回の世界宣教会議の時は米国ホィートン大学の学生だったが、ダン・ホーク、レイトン・フォード、ビリー・グラハム、ジョン・ストットなど初期のローザンヌ運動の指導者たちを知り、親交が続いた。  総裁として第三回の世界宣教会議(2010年)の準備に携わったが、当時は停滞期。各国のリーダーを訪問した苦労を語った。

第4回の世界宣教会議に向けては、名声を求める人々の課題、環境、政治経済、ジェンダー、人工知能、西側の教会の衰退など様々な現状課題を振り返った。「宣教の中心性を思い出し、神が用いている人々と出会い、聖霊の働きに信頼したい」と勧めた。【高橋良知】

2024年06月23日号 07面掲載記事)