第七回日本伝道会議in東海(JCE7)から1年、この流れを受けて、再び東海で全国規模の超教派宣教大会「宣教フォーラムin三重」(10月14、15日)が開かれる。日本福音同盟(JEA)宣教委員会、宣教フォーラム三重開催地委員会共催。三重県でこの規模の大会開催は初だという。

今回のテーマは「三重で出会える宣教協力」。全5ブロック10人の講師が宣教の課題や展望を提示して共に祈り考える。13の宣教ブースを出店。他にはJCE7の14プロジェクトを含めた27の分科会もある。フォーラム参加受付は9月30日まで(申込や詳細はURLmiemission2024.com)。

JCE7が三重県における宣教協力を後押ししたが、それ以前から協力へのうねりがあった。今回の宣教フォーラム開催の経緯と展望を、開催地委員長の近藤健二さん(OM日本宣教師)に聞いた。

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三重県は県内で東海と関西の文化が入り混じる。名古屋市に近い北部に人口と教会数が集中し、南に行くほど過疎化が進む。

近藤さんは、今回の宣教フォーラムにいたる三つのプロセスがあったと言う。一つ目は23年間続く北勢牧師会。北勢は四日市市、菰野町、鈴鹿市、桑名市の牧師らが集まる。2018年、鈴鹿市を拠点にしていた近藤さんが当時最年少で加わってから、若い世代を誘い合い、横の流れが生まれ、活気がついた。

二つ目は防災。東南海地震などの大災害に備え、19年に東海のキリスト教諸派で「東海キリスト者災害ネット」が活動を始めた。近藤さんは、南海トラフ地震対応の調査で、三重県南部の教会を訪ねた。20年には南勢の牧師たちと災害セミナーも開催した。

三つ目はJCE7だ。「当初三重県の教会のかかわりは少なく、県内の教会を回って案内したところ、説明会に多くの方々が参加し、三重県にもこんなに興味を持ってくれるリーダーがいるのかと励まされました」

JEA加盟団体以外の教会もJCE7に参加できるよう、「三重宣教ネットワーク」を立ち上げて団体参加をした。ネットワーク構築により、三重県全体の教会分布や教会未設置市町村を可視化する「祈りの地図」も作成した。信徒が参加できる「三重祈りの輪」LINEも複数教会により開設した。

ほかにも従来から毎年2月11日に津市で開催されていた「三重県庁前祈祷会」がコロナ禍でオンライン開催されたことで、津市以外の人が参加できるようになった。「課題だけでなく、三重の新しい開拓教会の報告も共有し始めた」

現在は県内の中勢と南勢で牧師会が始まり、伊賀・名張にも牧師会がある。「私を宣教師として日本に派遣しているカナダでは、すでに福音派とペンテコステ派がまとまっている。(フォーラム三重の)開催地委員会でも福音派とペンテコステ派の壁を取り払った。様々な課題がある日本宣教だが、個々が離れ小島のようになるのではなく協力が必要だからです」【高橋良知】

2024年08月18・25日号 12面掲載記事)