JECA南関東地区友好教会・沼津港町教会牧師 若林義也

富士山の南、伊豆半島の玄関口である静岡県沼津から、ローカルな視点で教会の働きを考えたいと思います。日本一深い海、駿河湾に面する沼津港は、多くの方が海の幸を求めて訪れます。最近はメディア作品「ラブライブ! サンシャイン!!」の「聖地巡り」に来た「ラブライバー」と呼ばれるファンの方をよく見かけます。クリスチャン「ラブライバー」が礼拝に参加することもあります。

静岡は東西に長く、西部(浜松市等)や、中部(静岡市等)とやや異なるかもしれませんが、東部住民の生活感覚としては、関東は身近です。沼津の隣駅、三島から東京まで、新幹線で一時間のため、首都圏へ通勤する人もいます。私たちの教会はJECA(日本福音キリスト教会連合)の南関東地区で幸いな交わりにあずかっています。同時に、例えばKGK(キリスト者学生会)の働きでは、静岡は東海地区に属します。静岡東部の教会は、東海と関東、両エリアの交わりに支えられているように思います。

沼津にいてうれしいことの一つは、キリスト者江原素六(1842―1922)がとても尊敬されていることです。教育や実業、政治など、いわゆる明治期の沼津に多大な貢献をした江原の生涯は、沼津市明治史料館に展示されています。そこで彼の伝道者としての歩みや生き様、愛用聖書なども見ることができます。市内の江原の墓近くには、今もキリスト者の教会墓地、個人墓地が多く建つ地区があります。市内小中学校には〝Boys, Be ambitious.〟と書かれた新渡戸稲造による書(レプリカ)があります。これはもともと、沼津にキリスト教主義農業学校「興農学園」が1924年に開校した際、創業者の一人である新渡戸が学園のために書いたものです。この地で主を信じて生きた様々な先達たちの存在を通し、励まされています。

沼津では、市内伝道者会という教職者の集いが2か月に一度会場持ち回りで持たれています。プロテスタント諸教会、カトリック、聖公会から集います。この協力の中で、毎年クリスマスに各教会の案内を新聞折り込みで配布しています。新年には伝道者会主催で礼拝がささげられます。他にも地域の先生方から、様々な面で日々助けていただいています。

静岡の東部、伊豆には、交通の便が良く若い世代が多い地域もある一方、伊豆半島など過疎化が深刻な課題である地域もあります。若い世代を進学に伴い送り出すことも、、、、、、

2024年08月18・25日号 12面掲載記事)