今年も各地で記録的な猛暑、豪雨が続き、人々の生活を脅かしている。このような気候変動の原因となる環境破壊への取り組みもキリスト者の間で広がっている。全世界、全教会規模で毎年実施される環境キャンペーン「被造物の季節」が今年も、9月1日から10月4日までの期間に行われる。今年のテーマは「被造物とともに希望をもち、行動する」(ローマ 8・19~25)。祈りとともに行動に強調点が置かれる。

ホームページ(URLseasonofcreation.org/)やSNS、動画で発信があり、ガイドブックによって、テーマ解説、共通の祈祷文、イベント開催方法、図画工作のアイデア、生活スタイルの工夫や環境行動へのアドバイスなどが紹介されている。今年は特に化石燃料使用削減の「化石燃料不拡散条約」支持を積極的に呼びかけている。

9月1日には、オンラインでの祈祷会を実施。ローマ教皇、正教会総主教、聖公会やプロテスタントの代表者らが参加する。21日は権利擁護活動の日として「化石燃料不拡散条約」支持を呼び掛ける。9月10~24日には、国連総会が開かれ、「化石燃料不拡散条約」についても話し合われるという。「被造物の季節」最終日10月4日は、青年たちによる祈祷会で締めくくる。

テーマ「被造物とともに希望をもち、行動する」の解説では、自然界への敬意、責任、相互依存を強調。人間の利己主義と持続不可能な行為のために被造物を損なっている「うめき」の現状を述べる一方、出産時のような新しい生命への希望も語る。人間は罪によって地球上で痛みを引き起こしたが、「キリストが死を克服した希望によって行動できる」と励ます。

正教会、カトリック、世界教会協議会ほか、世界福音同盟・ローザンヌ運動被造物ケアネットワーク、ア・ロシャなどのNGOが協力する。日本でも著書『被造物ケアの福音』(いのちのことば社)を刊行したデイブ・ブックレスさんが中心メンバーとしてかかわっている。

今年6月5日の「世界環境デー」には、「被造物の季節」の解説と呼びかけがオンラインで実施された。ブックレスさんは「ローマ8章は被造物の嘆き以上に熱心な期待を強調している」と述べ、希望に基づく行動を促した。

2024年09月01日号 02面掲載記事)