9月27日に行われた自民党総裁選において、石破茂元幹事長(67)が第28代総裁に選出された。総裁としての任期は3年。10月1日に召集される臨時国会で、第102代首相に選出される。
自民党総裁選としては、過去最多の9人が立候補する中、1回目の投票で石破氏は、高市早苗経済安全保障相(63)に次ぐ2位となり、上位2人による決選投票で215票を獲得、194票だった高市氏を制した。

総裁選出後の会見で。画像はテレビ報道より

石破氏は4代目のクリスチャン。熊本バンドのメンバーで、同志社を創立した新島襄から洗礼を受け、のちに牧師となった金森通倫(みちとも)の曾孫にあたる。熱心なクリスチャンだった母親に連れられて幼少期から教会に通い、高校時代に日本基督教団鳥取教会で洗礼を受けた。
クリスチャン政治家として、クリスチャンの集会に招かれ、挨拶する中で、自らの信仰、また政治姿勢について、語ってきた。

「私にとってキリスト信仰は、子どもの時から所与のものであり、この世界に神が存在しないという考え方自体が信じられない」
「何が正しくて何が間違っているかということが、人間ごときにわかるのだろうかと思う。今の日本の政治が御心にかなわないものであるならば、どうぞ改めてくださいと祈るような者でありたい」
「信仰を持つことのありがたさは、自分が罪人だということを常に認識できること。いつも、十分の一の献げ物を献げ、自分は正しい者だと言って祈るパリサイ人と、罪人の私をお赦しくださいと胸をたたきながら祈る取税人。どちらが神に義とされたかということを常に思い出す。自らが足らざる者、罪人であることを認め、心から神様に赦しをこうことができる。これが信仰のいちばんすばらしいことだと理解している」
「私は、政治とは泣く人と共に泣くこと、自民党は国民の思いを体現する党でなければならないと思っている。違う意見に謙虚に耳を傾けるのが保守の本質だと理解している。この国はこれから今までにない選択をしなければならない。そこにおいて、どうか御心が行われるように、塵芥(ちりあくた)のような私でも御用のためにお用いくださいと祈ることを忘れてはならないと思っている」
「『ちりあくたに過ぎない』ことを自覚しつつ、『それでもみこころならば用いてください』としか祈れない。自分の弱さを認める姿勢は、政治家に求められるあり様とは異なるが、今後もクリスチャン政治家のあるべき姿を求めていきたい」

「木はそれぞれ、その実によって分かります」(ルカ6・44)。新しい日本のリーダーのために心から祈るものでありたい。そして、政治的な立場からではなく、同じ神様を信じるものとして、その実に目を凝らしていきたい。