『バザールカフェ』執筆者たち再会 飲食だけでなく 共に生きる場に
バザールカフェは1998年に日本基督教団京都教区とバザールカフェプロジェクト運営委員会共同プロジェクトとしてスタートしました。京都市上京区の同志社大学の近くにあるこのカフェは、単に飲食ができるカフェではなく、様々な活動に携わる人たちが、活動内容や立場を超えて自然に出会い、「共に生きる」ことのできる場づくりを目標として運営されています。
ヴォーリズ建築の宣教師館をリノベーションしたカフェで展開されるこのユニークな活動が25年を迎えたところで、当初は社会学者が集まってその実践を研究し、関係者にインタビューしていたことを発端として、今現場で関わるスタッフを執筆者に迎えてこの本が生まれました。7月に学芸出版社から出された『バザールカフェ ばらばらだけど共に生きる場をつくる』は、人が出会い、流れゆく現実社会の中で、苦しみながらも喜びを生み出し、いろいろな愛の形があることを示してくれるヒントにあふれた一冊です。
まだまだ暑さの厳しい夏の終わりに、4人の執筆者が集まり(あと2人の執筆者は出張中)この本の出版に至る経緯をふりかえり、本のもつ意味を確かめ合いました。
「多様な人たちがごちゃまぜに共にいる」「それぞれの存在が尊重される」「感情に振り回されながらも、誰をも排除しない」そして、「新しい出会いもある」。こんなバザールカフェのスタイルはまさに教会こそが見習わなければいけないひとつの在り方ではないか、としみじみと思わされる集いでした。(レポート・鳥井新平=日本基督教団・近江平安教会牧師)
(2024年09月29日号 03面掲載記事)