三重で初の「宣教フォーラム」

日本福音同盟(JEA)宣教委員会と、三重開催地委員会が共催する「宣教フォーラムMIE・2024」が10月14、15日、長老・四日市キリスト教会(三重県四日市市)で行われた。「宣教フォーラム」は、7年に1度の「日本伝道会議(JCE)」の間を1年に1回のフォーラムでつなぐ役割を持つ。今大会のテーマは「三重で出会える宣教協力」。(10月27日号で一部既報)
全体集会①では、開催地委員長で、三重県出身、三重宣教ネットワーク代表、OM日本の宣教師の近藤健二さん=写真=が、データを示しつつ宣教協力を論じた。

▽ ▼ ▽

―大宣教命令には、『行って』という命令も含まれている。牧師や宣教師だけでなく、クリスチャン全てに与えられた使命である。

戦後50年間で教会数は10倍に、しかし信者数は2倍にしかなっていない。各教会の信者数は5分の1になった計算だ。1950年には一教会あたり年間10人が受洗したが、70年には2人、2014年には0・8人。
10年前の調査では、牧師の47%が70~90歳。単純計算すれば今は71%がその年齢になっている。現在、日本に7千900ある教会のうち、牧師が70歳以上の教会が47~71%あることになり、さらに無牧教会もある。昨年の独自調査では、日本の複数教派の神学校の全学年をあわせても、教職者コースの神学生は480人。需要に供給が伴っていない。はこぶね便の調査では毎年100件の教会が閉鎖している。

三重県は人口に比べれば教会が多く、各教会の信徒数は少ない。教会がない地域もある。そして神学校もバイブルキャンプもない。三重県内で、教会同士、教団同士で協働する機会が乏しかった。
しかしキリスト教書店がある。各県域に牧師会があり、JCE7後に新規発足したものもある。三重宣教ネットワークも発足。LINEグループ「三重祈りの輪」ができた。そして、超教派で全国規模の宣教大会が史上初めて三重で開かれている。

県内の子ども(小・中・高校生)の数と、県内の教会に定期的に出席している子どもの数を調査、比較したところ、教会に通っている割合は0・089%。この調査報告書とともに手紙を三重県内の教会に送った。

「県内の教会が離れ小島のように活動してきた時代は、終わりにするべきだと思いました。若者不在は将来がないということに直結しています。教会員の高齢化とともに、牧会者に重荷が食い込み、それが牧会者の夫婦関係、親子関係にもたらすネガティブインパクトが、この調査結果の裏にはあるのです。これは牧会者生命を著しく削るものであり、牧師の燃え尽き症候群が叫ばれる昨今において、極めて危険なことです。また、各教会の地理的位置も同時に見るとき、このままでは局地的に県内の一定地域の教会がドミノ倒しのように集団で消滅していく危機感を覚えずにはおれません。私は超教派宣教師として、広く日本の現状を知る者として、この報告を共有するとともに、この三重県においては、これまでの離れ小島の働き方ではなく、他の牧会者たちとともに祈り、ともに励まし合うという新しい働き方を提案したいと願っています」

このような、エネルギーを吸い取るようなことを言うのは、危機感を持っていただきたいから。全員が大宣教命令を受けている。時代のベストの策を作っていかなければならない。「宣教協力」のうち宣教はしてきたが協力は難しい。開催地委員会は、福音派、カリスマ派、聖霊派といった壁を取り除き、ビジョンを分かち合いたいと思って集まった。―

2024年11月03日号 01面掲載記事)