日本全戸(5340万世帯) 2038年までに地球上のすべての家庭に福音を!

地球上のすべての家庭に福音を届けるための、全戸トラクト配布の取り組み「オイコス計画」。全世界で2018年から、日本では2020年から取り組みが始まっています。
これまで、全国のべ580教会が協力してくださいました。地域によっては、高齢化が進み配布が難しいという教会もあります。地域での協力、他の地域からの応援や、宣教団体、神学校、海外からの宣教チームなども加わり、一緒に伝道活動が進められています。
現在、約180万世帯への配布が完了しています。2038年までに日本の全5,340万世帯に福音を届けるためには、日本全体でそれぞれの地域のために祈り、献げ、ともに働いていくことが必要です。このオイコス計画が用いられるように願って、参加した方々によるレポートを紹介します。
(EHC日本=全国家庭文書伝道協会)

 

夏季伝道実習で「津田梅子トラクト」配布

「主が蒔かせてくださった」神学生たちのレポート

関西聖書学院から

神学校で行われた夏季伝道実習で、単立一麦の群・活けるキリスト高田一麦教会に派遣され、トラクト配布を行いました。ひとり250枚のトラクトを手渡され、最初の1/250枚。奈良県大和高田市にある生地を売っているお店の奥さんに手渡しました。それまで、何回かお店に行き、顔見知りになっていました。地元で何代も続いたお店のようで、高田教会の歴史にも詳しく、娘さんが大阪女学院出身で、津田塾大学に合格したことを話してくれました。トラクトを手渡したことで、知ることが出来なかったエピソードを聞くことができたことに感謝します。

ある日教会で祈る中で行きなさいと示され、250枚のトラクトを持って地域に出ていきました。声をかけても無視をされて、そのことに傷つき恐れが生じている自分に気づきました。「もらうだけだよ~」と笑顔で答えてくださる方にトラクトを渡すと、「あ、津田梅子?」と興味を持っているようでした。誰もが目にする「お札」にクリスチャンである津田梅子さんが採用されたことに神様のご計画を感じつつトラクト配布ができて感謝しました。「教会に来てはどうでしょう。」「あなたの居場所はありますよ。」とトラクトを配るのも大切です。しかし、クリスチャンがどんな人であるのかを知ってもらうためにもこのトラクトは、無料なら読んで見ようと思う日本人にマッチしたものだと感じました。主がこのトラクトを私が住む地域に蒔(ま)かせてくださったこと感謝します。

 

東京基督教大学から

福島県にある保守バプテスト・福島第一聖書バプテスト教会に遣わされた私たちは、お菓子を詰めた袋の中にトラクトを入れ、地域の子どもたちや高校生に配りました。自分たちの作ったものが、地域の人たちへの伝道に用いられ、その地に福音が広がっていくことがうれしく感じられました。

福島で、袋詰めの様子

北海道室蘭市にある同盟基督・港南福音教会に遣わされ、その地域でトラクト配布を行いました。新五千円札の顔になった津田梅子さんのことをお話しすると、興味をもって受け取ってくださる方もいれば、「暑いのにご苦労様ねぇ~」と明るくあいさつしてくださる方もいらっしゃいました。些細(ささい)な会話でしたが、地域の方々とコミュニケーションをとる良い機会になりました。

北海道・室蘭の配布チーム

私たちは、千葉県にあるOMF・ザ・チャペル・オブ・アドレーションに派遣されました。町は栄えていて、歴史があり、昔から住み続けている人の多いところでした。神社なども多くありました。そのような町で、トラクトを1,500部ほど配りました。散歩をしている学生たちや、昔ながらのお店の外でお仕事をされていた方との会話の中で、津田梅子の話をすることもありました。このように、多くの人が知っている人の話をきっかけに、会話が生まれ、福音を伝えるチャンスが与えられたことは、良い伝道になったと感じています。

沖縄県にある沖縄バプ連盟・嘉手納バプテスト教会に遣わされました。町を歩いていると、関東では見たことのない草花に出会います。屋根の上には、魔よけのためのシーサー。南国風の建物。沖縄に来たことを実感しながらのトラクト配布でした。
あるお宅の前を通った際、玄関先に1人の男性の姿がありました。米軍の方で、英語の話せるメンバーが、この近くに教会があることを教会の案内と共に伝え、いのちのことば社さんから預かった「津田梅子」のトラクトを手渡すことができました。私は、後ろで祈りつつ様子を見ていたのですが、とても楽しそうで……「私も英語が分かるようになりたい」と思ったほどです。小さな出来事ではありますが、トラクト配布を通して、それぞれの賜物が用いられていることを感じ、感謝でした。新紙幣の五千円札に出会うと、あのトラクトが脳裏に浮かびます。用いられることを祈りつつ。

沖縄・嘉手納の配布チーム

 

アメリカからミッショントリップ

「神様はあなたを諦めていない」と伝えるために

アメリカのジョージア州にあるジョンソンフェリーバプテスト教会から7人の宣教チームが10月に来日した。ジョンソンフェリーバプテスト教会では毎年60~70の短期ミッションチームを送り出している。春にミッショントリップの内容が発表され、そのための献金を募り、ミッショントリップ参加者には費用の半額を教会で負担し、毎年、約3,000人がミッショントリップに参加している。今年の春に呼びかけられたミッションへの献金は、予想をはるかに超えて約3億円の献金が集まったとのこと。
今回はデイビッド・ローシーさんが団長となり、現在、日本に住む教会の執事である糟谷恵司さん・アンドレアさんがミッショントリップを計画し導いた。

出発前にブリーフィング

10日間の滞在で「山手線プレヤートレイン」「ホームレス伝道」「スポーツミニストリー」そして、EHCで行っている「オイコス計画(トラクト配布)」に参加。
ホームレス伝道では、ケミカルクロスという手品による福音伝道や来日した宣教チームの証しが語られた。また、山手線プレヤートレインでは、池袋から内回りで1周、電車の中で祈り、そして、上野では12人で72枚のトラクトを手渡すことができた。スポーツミニストリーではホットドッグを提供。子どもたちと楽しいひと時を過ごすことができた。
最後の3日間は、東京都三鷹市、武蔵野市でトラクト配布を約15,000世帯に行った。当日は、地域の教会からの参加もあり、毎日10数人で配布を行った。メラニー・トーマスさんは、配布中、英語に興味のある女性から話しかけられ、会話の中でトラクトを手渡すことができたとのこと。祈りながらポストに入れたトラクトが豊かな実を結ぶようにと願っている。

昨年、同地域では、カナダから日本宣教のために働きたいとコリンさんが来日し、トラクト配布を行った。その後、配布したトラクトを通して1人が教会に導かれた。彼女は長い間、教会から離れていたが、また教会に行きたいと思っていたタイミングで地域の教会リストが入ったトラクトがポストに投函されていたとのこと。そのことがきっかけとなり教会に導かれた。今回のトラクト配布がどのように用いられるか、また、その実りを私たちが知ることはないかもしれない。しかし、蒔かれた種が神様の時に豊かな実を結ぶことを祈りつつ、期待している。

東京・三鷹市で

宣教チームの皆さんになぜ日本に来ようと思ったか、また、伝道に熱く燃えるその原動力は何かなどをインタビューした。
スティーブン・ロフティンさんは、彼自身が知らない人から「神様はまだあなたのことを諦めていないわよ」と声をかけられたことがきっかけで神さまを求め始めた。今度は自分が他の人にその言葉をかけたいという思いで参加したとのこと。
またトーマスさんは家族3人で参加。3人での参加は経済的に厳しいと思ったが、教会から費用の半分の補助があり、今回来日することができた。彼らは音楽一家で日本の教会でも賛美による奉仕を行った。
ビン・リャンさんは中国生まれ。中国よりも規制がない日本でなぜクリスチャンが0.5%なのか、また、中国人に対しての偏見など、日本に来て自分で確かめてみたかったとのこと。

10日間を日本のために献げてくれた7人のチーム、そして、そのチームを祈り送り出した教会、そして、献金でこの働きを後押ししてくださった皆さんに心から感謝したい。ジョンソンフェリーバプテスト教会は8,000人規模の教会。教会内でもさまざまなミニストリーが行われているが、自らの教会の働きだけでなく、働き人を送り出す教会としてのミッションを積極的に行っている。それが教会の祝福につながり、良い循環を生み出しているのではないかと感じさせられた。
(レポート=EHC日本)


今回の配布チーム

オイコス計画についての資料請求、問い合わせ、参加申込は、いのちのことば社EHCまで。
TEL: 03-5341-6930
URL: https://www.wlpm.or.jp/ehc/gospel_4_jp/

2024年11月10日号 04面掲載記事)