台風26号の大雨の影響で大規模な土砂崩れが発生し、18日現在、死者22人、行方不明者27人が出ている伊豆大島。その犠牲者の中に、教会の信徒がいた。
 土砂崩れは元町神達地区と元町3町目を襲った。元町1町目にある日基教団・大島元村教会の並河光雄牧師は、「被害現場は教会から歩いて7、8分の所で、難を免れた」と語る。だが、3丁目に住む信徒の清水和子さん(78)の自宅が土砂崩れの直撃を受け、コンクリートの土台だけを残して押し流された。清水さんは17日、土砂の中から遺体で発見された。
 並河牧師は「清水姉は教会役員、教会学校の校長、教会から生まれた北ノ山保育園の理事長をされていて、教会の中心メンバーなので、深い悲しみを覚えている」と声を詰まらせる。
 「大島元村教会は相沢良一牧師が52年間、町と深い関わりをもってきた教会。町全体の復興のため、被害に遭われた方々のために祈っていきたい」と語った。
 大島町波浮港町にある日基教団・波浮教会(武井真人牧師)、キャンプ場「日本ホーリネス教団大島泉の家」(チャプレン=古谷晃)には被害はなかった。古谷さんは「島の至るところに土砂崩れがある。倒木、泥流被害は半端でない。もう一回台風が来たら大変なことになる。これ以上、被害が拡大しないように」と祈りを要請した。(中田 朗)