史上最大勢力を記録した台風30号によるフィリピン中部を中心とした甚大な被害を受け、ワールド・ビジョン(WV)は「フィリピンでの活動史上最大級の緊急支援体制」を整え、支援を開始。10日にはドイツにある緊急物資備蓄倉庫から、首都マニラに向けて5,000枚の毛布と3,000枚のプラスチックシートが緊急輸送された。毛布とプラスチックシートは、家を失い避難した人が仮設シェルター身を寄せるため使われる。
 WVフィリピンのジョサイアス・デラ・クルス事務局長は「一刻一秒を争って活動している」と語る。現在最も必要とされているのは、水と衛生環境を保つ事、食糧、仮設シェルター、子どもの保護と心のケアだという。マニラからレイテ島タクロバン市の派遣されたWVフィリピン・スタッフからは「台風は過ぎたけれど、ここであとどれだけ生き延びられるかわからない。家は壊れ、食べ物もない」という、レイテ島で生き延びた女性の言葉が報告されている。
 2009年からレイテ島とサマール島でチャイルド・スポンサーシップによる支援を行っているWVジャパンは、台風被害を受けた両島を現在、調査中だ。
 WVジャパンは「フィリピン台風緊急支援金」の協力を募っている。郵便振替00140-4-900664、特定非営利活動法人ワールド・ビジョン・ジャパン(記入欄に「フィリピン台風と明記)。URL http://www.worldvision.jp からクレジットによる募金を受け付けている。また、Tel0120-465-009に電話をすれば、クレジットカードによる募金を受け付ける。(中田 朗)

写真=台風被害で倒壊、半壊したセブ島の民家(写真提供=WVJ)