内閣総理大臣 安倍晋三様
防衛大臣 中谷 元 様
四軍調整官 ローレンス・ニコルソン様
米国大統領 バラク・オバマ様
駐米日本大使館 特命全権大使 佐々木賢一郎様

沖縄、米兵による女性への性暴力に対する抗議文
悲しい事件がまた沖縄、那覇で、3 月13 日、起こりました。キャンプ・シュワブの一等水兵が、那覇に観光に来ていた女性をホテルの自室に連れ込み、性暴力を振るいました。辺野古に隣接する、キャンプ・シュワブ(新基地建設予定地)から60 キロの那覇へ、「女狩り」(沖縄戦後、沖縄で米兵による性暴力目的の行動をこう呼んでいました)の目的で来たと考えられます。腹立たしく、悔しく、悲しいです。沖縄戦後、連綿と続いている事件だからです。彼女が癒され、立ち直ることを祈るばかりです。
戦後71 年、米軍基地との共存を強いられ、米軍基地が集中させられている沖縄。1960 年代、沖縄県以外では住民による基地反対運動が激しくなり、米国の命令で、米軍統治下にあった沖縄に基地を移設した。結果、在日米軍基地の74%が国土面積0.6%の沖縄に集中させられ、今日に至るまで米兵による事件事故が起こり続けています。日米地位協定によって、米兵の人権は守られ、被害を受けた民間人の人権はないがしろにされています。軍隊のあるところにある、構造的差別です。いまだ、米兵は、「沖縄」を沖縄戦の戦利品と認識しています。他者への乱暴、レイプは、被害者自らが訴えねば事件にならない親告罪であるゆえに、傷つき、立ち上がれない被害者にとって二重にきついことです。多くの被害者が泣き寝入りする理由がここにあります。日本政府、米政府が言う、「再発防止、綱紀粛正」。事件の起こるたびにくりかえされる、常とう句です。再発防止、綱紀粛正を真実に願うなら、加害者、日本政府、米政府による彼女への謝罪、加害者が加害者として公正に裁かれること、そして、このような事件を引き起こす、新基地の断念、すでにある米軍基地の一日も早い撤去がなされることです。ひとりの女性の人権がないがしろにされることは、沖縄をないがしろにすることです。ひとりひとりの生と性、ひとりひとりに与えられている尊厳を大切していく当委員会の使命によってここに抗議します。彼女の尊厳がこれ以上傷つけられことなく、守られますように。

2016年3月18日
日本バプテスト連盟 性差別問題特別委員会