「震災から5年を迎えた昨年の3月11日に比べ、今年は明らかに静かだ。だが、あまり切迫感はない。周囲の人々の反応もそうだ」と東北ヘルプ事務局長の川上直哉氏は言う。「意外にも『風化』に対応している。それは、『被災後の日常』が定着化したということではないか」と実感を語った。
2017年03月12日号 4・5面
「御言葉を植える働き人が震災6年の今こそ必要」 宮城宣教ネットワーク 大友 幸一
宮城宣教ネットワークでは、宮城県沿岸部を5ブロックに分けて、各支援団体、教会とネットワークを結ぶ。2月末に、支援者向けのリトリートを松島町のホテルで開催した。同ネットワーク代表の大友幸一さん(保守バプ・塩釜聖書バプテスト教会牧師)は、「長く働く支援者に休息と励ましが必要だった。支援を通して恵まれたこと、課題について皆で分かち合った。自由な時間も長くとった」と言う。
「被災地での働き」という「非日常」から福音を分かち合う「日常」へ 寄稿 3・11いわて教会ネットワーク 近藤 愛哉
東日本大震災の発生から6年がたとうとしています。震災を巡る記憶の色は全くくすむことがないにもかかわらず、同時に6年前がはるか昔と感じられるのは、それだけ濃密な、ある意味「非日常」の日々を重ねて来たからなのでしょう。被災した方々にとってその年月が、失われたかつての「当たり前の日常」を夢想し続けた「非日常」であるのと同様に、被災地での働きに携わる者たちにとってもそれは「非日常」を積み重ねて来た年月でもありました。
東日本大震災から6年 「フクシマ」を7人の目で表現
東日本大震災、原発事故から6年が経つ3月。1つの見方では語りきれない「フクシマ」の今を、国内外7人のアーティストの目線で表現する展示が東京で開催される。「七つの詩 〜あれから6年 僕らがみているフクシマ〜」(3月9〜 14日、東京・千代田区のア ーツ千代田3331 B104 ギャラリー)だ。代表の早矢仕宗伯さん(牧師画家)は、「アートには、人を立ち止まらせ、考えさせる力がある。1人の人の見方は限られるが、7人の表現で『フクシマ』が立体的になる」と語る。(4、5面特集「東日本大震災から6年」に関連記事)