2018年06月17日号 02面

 聖書の創造の重要性を確信するアジア各国の牧師・神学者・科学者たちにより、数年に1度開催される「全アジア創造カンファレンス」(AACC)の第3回が沖縄県那覇市の沖縄バプ連盟・那覇バプテスト教会で5月31日から6月2日まで開かれた。日本では初開催となった今大会に、アジアをはじめ、米国、オーストラリアなどからも講師が来日し、多様な講演、分科会、シンポジウムを開催。ジェネシス・ジャパン名誉会長の宇佐神正海氏が日本で1978年に創造宣教を始めて40年となる。AACC会期中の5月31日には日本創造宣教40年感謝礼拝が行われた。【高橋良知】

宇佐神氏は第二次世界大戦が終わり、樺太から引き上げる船の中で、出会った医師の影響で、医療を志した。弟が教会に行き始めたのをきっかけに、聖書を読んだ。「元始(はじめ)に神天地を創造(つく)りたまへり」という聖書の冒頭に注目。「科学こそ真理を示すはず。進化論は科学で教えているから真理。進化論で聖書の誤りを証明できる」と思っていた。ところが高校生なりに調べてみたが、進化論の確かな根拠は見出せなかった。DSC02607
1951年には東北大学理学部に入学し、進化論に関する文献を調べたが、やはり根拠を見出せなかった。「進化論の大前提が『進化論は証明不要の公理である』『創造主は誰も見ていないから存在しない』であることを知り、進化論は証拠不要の憶測に過ぎず、科学的ではない」と思い至った。
「神主の家系の私は、神道のどの神にも天地は造れない。聖書の『神』が『創造主』なら聖書の記述こそ本当だと分かった。罪を示され、キリストを受け入れたことで、平安に満たされ、その平安は現在まで続く」と信仰決心の思いを述べた。
その後医学部に入り卒業してから78年まで、医師の働きを続けながらの27年間は準備期間だった。進化論を容認する牧師、クリスチャンたちにも多く出会った。「彼らは皆が信じているから、進化論を信じているに過ぎない。科学的思考と展開が必要だ」と思った。77年には米国の創造調査研究所を訪問。ヘンリー・モリス教授らと出会い、資料を購入し、78年に「聖書と科学社」を立ち上げて翻訳出版を開始した。
「経済的な困難は常にあったが関心を持つ人が起こされ働きが広がった。三男の実がジェネシス・ジャパンとしてこれを引き継ぎ、国内外でセミナーや出版を展開している」。84年には昨年亡くなった堀越暢治牧師と創造科学研究会を設立。創造を信じる科学者・牧師の学会として発足。現在はクリエーション・リサーチ・ジャパンとして活動し、AACCにも講師を派遣している。
「堀越氏は、『創造主訳聖書』出版や日本初の創造博物館、ノアの箱船記念館を設立した。今もそのビジョンは後継者に受け継がれている。堀越氏の尽力はまさにピリピ2章13節の通りだ」と振り返った。
最後に「ビジョンが原動力」と強調した。「これから自国で聖書的創造の活動を始める人はビジョンを持って欲しい。働きを進める上で、必要なのはお金や物ではない。ビジョンによって前進するとき、創造主が必要を満たされる」
「医者になったことは、経済的基盤を支えるためにも、この働きのために重要だった。当初は『異端の働きだ』と妨害も受けたが主に信頼し、進めてきた。『もう続けられない』という危機が3回あったが、すべて主がのがれの道を準備してくださった。皆さんもビジョンを持ち、自分の技能を活かし、主に信頼してそれぞれの国ですばらしい働きを展開されることを期待します」と励ました。(AACCの詳細は次号以降で)