4歳から14歳への関心を高める国際的な宣教運動、4/14の窓運動は、日本でも2014年から教団教派、団体を超えたムーブメントとして広がっている。2回の全国規模でのナショナルカンファレンスほか、各地で集会を催してきた。今年9月8日には第3回ナショナルカンファレンスが千葉県市川市のヤマザキクリエーションセンターで開催される。今年は超教派の次世代集会が活発だ。3月にシンガポールで開催された4/14の窓グローバルサミット(4月15日号で既報)参加者に、世界の動向と日頃の働きを通して、次世代への必要を聞いた。【高橋良知

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写真=グロ−バルサミットでインドからの参加者と本澤さん(左)。

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 本澤敬子さん(同盟基督・国立キリスト教会牧師)は、4/14の窓運動が国内で始まった当初から関わってきた。最初は新しい働きを不安がられたが、教団内でもだいぶ認知されるようになった。7月には子ども、中高生、青年、パパママをターゲットにした集会『DS−FES』が開催される。直接4/14の窓運動ではなくても、次世代の危機的状況に立ち上がる人たちが増えたようにも感じる。4/14の窓は運動。どんな形であれ、次世代の働きが広がることは感謝なこと」と話す。

 グローバルサミットでは①パラダイムシフト、②弟子訓練、③家族の3点が心に残った。①については「51人の講師が次々と発表したが、多く聞かれたのは『パラダイムシフトしないといけない』ということだった。教会ではどうしても大人中心の予算、時間、プログラム編成になる。日本の小さな教会の限られた資源で何ができるかという課題はある。しかし現状維持でいいのか。大胆な挑戦もしていいのでは」と話した。

 ②については「洗礼を受けて終わりではなく、育てることが重要」と言う。「日本ではクリスチャンはマイノリティーで、守りに入ることが多い。もっと子どもたちが誇りをもってクリスチャンとしてこの世界で仕える強さをもてないだろうか。そんな次世代育成のためのカリキュラム、プログラムが必要です」

 ③については、「信仰継承できず、多くの子どもが教会から離れる現状がある。与えられている子を育てることをより大事にしたい。家族がクリスチャンではないならば、子どもを通して家族に福音を伝えることが可能です」

 海外の大規模な事例に圧倒されつつ「世界には英語の教材が豊富にある。翻訳が必要だ。逆に日本では英語を学びたいという子どもや保護者のニーズもあるので、英語ミニストリーも有効かもしれない」と話した。

 国立キリスト教会では子どもが大人と一緒に礼拝に出る取り組みを20年以上続ける。教会学校でも子どもが礼拝に出ることを前提に主の祈りを覚えたり、礼拝への参加を促す。礼拝では子どものためのメッセージも盛り込む。子どもが歓迎されている雰囲気をつくるようにしている。「教会の中に子どもがいることが喜びなんだということを折に触れ伝えるようにしています」

 同教会の子どもミニストリーは、教会学校と地域の子ども向けの集会が柱だ。同教会は、子ども伝道がもともと盛ん。集会に何百人も子どもたちが集うということもあった。「ところが特に1995年の地下鉄サリン事件以降、宗教への警戒からか子どもたちが教会に来るのが難しくなったという実感がある。チラシを小学校の門で配っていたが、学校から断られることも増えてきました」

 集会に集う子どもは、親のママ友たちのつながりが大きい。ママ友のいるスタッフが、LINEに子ども会の情報をのせて宣伝している。「地域に子どもがいない訳ではない。教会に、子どもへ届いていけるものがないのではないかと自問しています」。教会学校では3か月ごとに、各教師から現状を聴きながら、プログラムを見直す作業をしている。他の教会の実践に学び、公園伝道も挑戦したいという声がスタッフからも起きている。

 クリスチャン家庭ではない子は、中学生になると教会を離れるということがある。日曜でも、部活動があったり、受験勉強で礼拝を休むということもある。「高校生は忙しい。次世代のための奉仕に入ってくれるのは大学生からが多い。バイトで予定が埋まる前に大学生をリクルートしている」と語った。

 「ある教派の統計で、中学生が教会を離れる理由に『信仰をもっていないから』という回答があった。私たちの教会では小学生の時期から洗礼を勧めるようにしている。小学生では信仰はまだまだという考えもあるかもしれない。しかし子どもの信仰を軽んじてはいけないと思う。純粋にしっかりした信仰をもてる。たくさんの子に種をまくということと今いる子を大事にすることの、両方が大切になります」 (つづく
※本紙7月15日号で掲載しました。

第2回→ まず家庭に使命がある ローレンス綾子さん

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